第17話  大団円

橘薫のエースオブハートの治癒の光が久保田千鶴の傷を癒していく。


「助かるのか・・・」

「黙ってみていろ・・・」


そして

「オギャオギャッ」


なんと産声が響き渡る。


橘薫はムラマサで臍の緒を切り落とし

聖なる池で産湯を使う。


「女の子よ」

「俺の子なのか?」


パシッ

頬を打たれる。

「これ以上の祝福に恵まれて生れてきた子を私は知らないわ」


「そうだった・・・母体は?」

「母子共に健全よ」

「ありがとう、ありがとう薫先輩・・・」


「おめでとう久保田」

「産婦人科に行く手間が省けたわね」


「さて後始末だが・・・」

心配そうに遠目にみていた猩々たちが恐れおののく。


「それぐらいにしておけ久保田、こいつらはこの森の森番なんだ」

「そうよ最初にちょっかいかけたのあんたでしょ」


「わかった俺達はこの事を口外しない」

「おまえらも二度と女を攫うなよ!」


猩々たちは仕置きがないのに安心したのか森の奥に去っていった。


四人は重体の母子を鈴木八咫と鶴栄に任せて下山した。


車中、久保田は頭を抱えた。

「くそう・・・森崎のお父さんお母さんになんて説明するんだ?!」

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