夏を厭う

Kidstti

第1話

腋下の汗の臭いが街中に充満したり夏厭わしや

影つくる庇の下をつたい歩いて猫迷惑な昼下がり

灼熱のテーマパークに東京ドーム数十倍のもやが立つ

行楽の仲間どおしの賑やかな声が被さる夏厭わしや

エアコンの設定温度を1℃下げ体は重し財布は軽し

風邪に腹痛皮膚炎と健康が脅かされたり夏厭わしや

生ぬるい空気に人の輪郭がぼやけて映る夏厭わしや

銭湯が次ヵら次へと廃業で汗かき敵わぬ風呂難民

空間を我が世のごとく虫たちが支配強める夏厭わしや

高校野球のサイレンが平和に慣れた気怠き体を喝したり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夏を厭う Kidstti @Kidstti

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

App Storeからカクヨムアプリをダウンロード

Google Playでカクヨムアプリを手に入れよう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画