Never Ending World
201×年 10月
ものの見事にSEKAI NO OWARIの世界に転生した私。
楽曲はもちろん、メンバーにも魅力を感じ始めていた。
Fukaseさんの声、透き通りすぎ! 笑顔が可愛くてイケメンで、一目惚れ!
Saoriちゃん! 鍵盤の上で踊る指が本当に綺麗。スーパーSaoriタイムがえぐすぎ!
Nakajin! あのギターテクニックにもう惚れぼれ。ギターキスが最高!
LOVEさん! ピエロは怖いけど、LOVEさんは別! 可愛い!
とまぁ、こんな感じ。
夢の中まで登場してくださったときには、もう大発狂。
私のために歌ってくれるの!? 贅沢!
夢の中は自由だよね。
私は本が好きで、いわば活字中毒だった。
特に言葉が大好き。
一つの言葉で違う意味が取れるのが、なんたって魅力だった。
そのときに転生した曲は、これ。
「人」の「為」と描いて偽りだと
僕らはいつでも主張してきた
けれど本当の気持ちはいつだって
迷い間違え、とりつくろって
偽りから始まるんだ
『Never Ending World』という曲だ。
東日本大震災のことを想ってつくられたという、この楽曲。
その歌詞を見た瞬間、別世界へ飛ばされた。
『偽』という字。
それは「人」の「為」と書くんだ……!
衝撃だった。
漢字は一文字で違う意味があるのは知っていたけど、偏とつくりで分けることもできるなんて!
転生した世界で、自分が魔法を使えたときと同じくらいの驚きだった。
「何か」が終わってしまったけれど
それは同時に「何か」が始まって
僕らは「出来る事」が皆違うから
だからこそ「僕ら」は手を繋ごう
We are with you?
人と比べて、自分は劣っていると落ち込んで、時にはそれを人にぶつけてしまったこともあった。
でも、私はこの歌詞に救われた。
「終わりの始まり」という言葉は、このセカオワの共通言語だ。
終わったことは悲しいけれど、でもそれは始まりだなんて。
私は「終わり」しか考えられていなかったから、本当に救われたんだ。
……それにしても、この透き通った音楽が最高すぎる!
声もピアノもギターもピエロさんも、ずっと見ていたいし聴いていたい!
それだけで、もう充分。
三度の飯よりも、セカオワを聴いていたい。堪能していたい。
ずっと聴くことができるのなら、ご飯は食べなくてもお腹いっぱいになれる。
「今日の夜は、オムライスだよ」
……オムライス、一番好き。特に母のオムライス、大好き。
やっぱり、母には勝てなかった。
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