荒影市・廃複合施設にて No.2
調査報告書・第18号
対象施設:荒影市郊外 廃複合施設「荒影複合センター」
調査日:20XX年12月18日
調査班:荒影市文化観光課・廃墟調査班
1. 背景
前回報告(第17話)にて、廃複合施設で複数施設の異常が同時発生する連鎖現象を確認。
今回は、施設内で過去の全施設の異常現象に加え、明らかに異質な音や気配が確認される。
調査班は、これまでの廃墟の異常現象だけでなく、別世界の日本の国民の生活音や行動の残響のような現象が現れている可能性に気づく。
2. 調査結果
2-1. 施設状況
廃複合施設内部は前回同様荒廃しているが、特定の部屋や通路で微かな生活音や生活臭が漂うような感覚を複数班員が報告。
廃店舗や遊戯棟、地下通路の暗闇に、これまでの人影とは異なる服装や動作の異質な人影が断続的に出現。
2-2. 異常現象
過去の廃船・廃校・廃病院・廃ホテル・廃図書館・廃トンネル・廃都市・廃遊園地で確認した足音、人影、揺れる物体、低いうめき声が再現される一方で、
別世界の生活音(食器の音、笑い声、足踏み音、談話、テレビの音など)が微かに重なって聞こえる
廊下や通路では、別世界の家族や住民が歩き、話す様子が映像に微かに残る。
遊戯棟や商業棟のガラス窓に映る影の動きは、明らかに現実世界とは異なる生活の痕跡。
複合施設全体で、過去全施設の異常現象と、別世界の生活音・影が同時に共鳴して発生する様子が確認された。
2-3. 証言断片
調査班員M(男性・30代)
「聞こえるのは明らかにこの世界の音じゃない……誰かが廃複合施設内にいるわけじゃない。なのに、夕食の片付けや子どもの声がするんです」
調査班員N(女性・40代)
「影が壁に映ると、見たことのない服装の人たちが日常的に動いている……でも誰もいない。過去の廃墟の影とは違うんです」
3. 総合所見
廃複合施設内で確認された異常現象は、
これまでの全廃墟施設で確認された共通の異常(揺れる物体、人影、足音、低いうめき声)
別世界の日本の国民の生活音や行動の残響のような異質な現象
が同時に共鳴して発生している可能性を示す。
これにより、廃複合施設の異常は単なる廃墟現象ではなく、異なる世界線の日本の痕跡が漏れ出して現実世界に影響を及ぼしている可能性が高い。
4. 備考
本資料は公式調査記録として保管され、無断での閲覧・複製は禁止。
映像・音声資料の一部は劣化または消失しており、全貌確認は不可能。
異常は現在進行中の可能性あり。
廃複合施設の老朽化・破損箇所が多く、立入禁止区域の厳守を推奨。
調査班は現象の影響を強く受けており、心理的な影響や幻覚的体験の可能性も考慮すべき。
次の更新予定
未解決の異常報告書 ~にて チョコしぐれ @sigure_01
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