第3章 『真実の罪 ー 血脈の鍵』
この世界は、四つの層で成り立っている。
最も高みにあるのは上界。
神々が住まう場所であり、
選ばれし者のみが辿り着ける領域だ。
その下に広がるのが天界。
テミたち天使族の住処であり、
基本的には誰でも出入りできるが、
稀に拒まれる者もいる。
さらに下には、
『奇跡の地』と呼ばれる地界がある。
今、ルナたちがいる場所である。
神も悪魔も出入りできる開かれた地である一方、
ここにしか存在しない生命体が息づくことから、
そう呼ばれている。
そして最下層には下界がある。
悪魔族が棲む、闇と契約の領域だ。
多くの者が恐れ、そして惹かれる世界である。
* * * * *
「となると、ルナのルーツを探るには
ここの方がいいってことだよね?」
「それに、テミが下界に行ったら堕天になるぞ」
「それはまずいですね」
「でも、どうやって?」
「お前、中学の時勉強しただろうよ」
アタシが使ってる魔法、
グランヴィルっていうのは、
エルフ族の大地部植物科が扱うやつみたい。
それとは別でグランヴィレーヌは、
特定の地域でしか使えないって
……習ったらしい。
「いやー…記憶なくしてたもんで…」
「常識だ。バカが」
「流石にそれはミミでも知ってるよ。
異国出身だけど…」
アタシそんなバカだったの――?
「グランヴィレーヌ……
もしかしたら、村を探せるかもしれませんよ」
「ほんと!?」
ノクタとテミは頷き、
アタシとミミを連れて図書館へやってきた。
「わからないことは、
ここにきて調べるのが一番ですよね」
さすが、頭のいいふたり。
ミミは絵本探しに行ったよ……
「アタシ、難しい言葉はさっぱり……」
「中卒だしな」
「は〜ぁ、
改めてアタシって底辺だなって思う……」
「それなら、
絵本からでも読んでみるといいですよ」
結局アタシもミミと一緒に絵本を探すことに。
「ミミのは、
バカだから絵本読んでる訳じゃなくて……」
「はいはい」
「違うってば!」
「こら!そこうるさい!」
「「すみません……」」
ミミのせいで怒られちゃったよ……
と思ったら、
ノクタとテミが本とかを持ってやってきた。
「個室借りれたからそっち行くぞ」
「何冊か持っていって大丈夫ですよ」
――――――
「で、なんでわざわざ個室?」
「お前、
自分がどういう立場かわかってんのか?」
「え?」
「『グラヴィレーヌ』いわゆる、
エルフ族でも
王族のみが使える魔法なんですよね――」
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