第7話 魔法と精霊
私はジグラートのようないわゆる戦闘描写がある「戦記物」が一番書くの好きなんですが、実は魔法がある世界観も大好きです。
ジグラートの前に、魔術師の話を書いていたことがあり、それ以前にも度々魔術師の話は書いていたんですが、ジグラートの前に「魔術師をとことん書いてみる」みたいな話を書いていたことによって、その時に自分の中でのいわゆる……魔法の世界観、みたいなのが出来上がった気がします。
簡単に言うと、魔法の世界で「禁呪」とかって存在するじゃないですか。
私は小さい頃は、禁呪を使う魔法使いなんてかっこいいぜ!と思ってた時期もあるんですが、魔術師を主人公にじっくり書いたことにより「禁呪を使う魔術師は、輝く未来に見放されて退行していく」という概念が定着しました。
どういうことかと言うと、
私の持つ魔法世界の中では、人間は魔法、魔術を、まだ全然未開拓なのです。
イメージしやすいのが宇宙研究や、脳の研究みたいな感じで、私の中では例え魔術や魔法を使う人間がいたとしても、その研究は魔法則、【精霊法】の中ではほんの数パーセントしかまだ解明されてない世界というイメージ。
これからどんどんまだまだ解明されて行き、新しい魔術や、魔法の使い方が生まれていく世界なんです。
私の魔法の世界では 魔法を構成するのは 自然界に存在する【精霊】であり、彼らの力を借りることで、魔法を使えるというのが簡単な仕組みです。
ただ、禁呪を使うとこの【精霊】たちが厳守する【精霊法】という動きを乱すことに繋がり、この【精霊法】というのが、例えると――朝には太陽が昇り、夜には月がある、そういう当たり前の自然現象くらい、絶対的なことでして……。
禁呪を使うとこれを乱すことに繋がり、まず、禁呪を使う魔術師は「精霊に忌み嫌われるようになる」わけです。
だから禁呪を使った時は、誰も使わない術なので俺強いになるかもしれないですが、
必ずそのあと、精霊が上手く呼びかけに応えなくなり、彼らに背を向けられ、魔術師としても生きていけなくなる。
「禁呪を使う魔術師は、必ず精霊法の報いを受ける」
そういう、決まりがあります。
だから、宇宙研究のような魔法研究において、禁呪で邪道に落ちることは、その後いくら研究を続けても、新しい精霊法も、魔術も見つけられなくなる。精霊たちから背を向けられると、その魔術師はもう絶対に新しい魔術を生み出せなくなる。
そういうのが私の魔法観になります。
ジグラートの前につまり、精霊の世界の話をとことん書いて自分の中で【精霊法】というものを確立させたために、ジグラートにもその世界観は実は適応されていて、私の書く話にはすべてこの【精霊法】が間違いなく適応されてます。
ジグラートはあからさまな魔法が出て来る話ではない、魔法が忘れ去られた時代の話なのですが……。
【シビュラの塔】にはネーリへの「呼びかけ」のように、目に見えない、精霊的な力が関わっていることがお分かりいただけると思います。
人間が忘れただけで、精霊が存在しない世界というわけではなく、
人間が精霊を捉える感覚を著しく失っただけで、
ジグラートの世界にも実は【精霊】たちは存在しています。
【シビュラの塔】は地上にまだ精霊が目に見えるほど明らかに存在した時代の遺物、という概念です。
「竜は精霊の亜種」というのも、その魔術師の話の時に確立した私の世界観で、
竜は魔物や人間よりも精霊寄りの存在というのは、
竜はジグラートの世界では失われたように見える、精霊の姿や気配を「目に見える形で認識出来る」存在です
それでも彼らも精霊の恩恵が少なくなった地上に縁づくことで、古の時代よりも遥かに、精霊を捉える能力は退化しています。
ジグラートの世界で完全なる【精霊法】の具現として存在するのが
【シビュラの塔】と【神獣オラシオン】。この二つだけです。
この二つだけが地上が精霊に満ち溢れていた時代から何一つ変わらず【精霊法】に則り生きていて、存在していることになります。
例えばネーリに呼び掛けている精霊の声は、
他の人間には決して聞こえないものですが、竜は人よりは精霊寄りなので、鋭い個体はこの呼びかける声を聞けたりします。
ネーリに精霊の声が届いた時、人はそれを不思議な体験としてしか認識できません。夢のような、奇跡だと。
でも【精霊法】の中では、実はそれは禁呪でも邪法でもなんでもなく、当然のこととして起きている、奇跡でもないものなんですよね。
人間が奇跡のようだと思う出来事と、
精霊は別に奇跡ではないと認識する出来事が、
実は同じというこの感じが、いかにも宇宙的には日常だが、人間的には奇跡過ぎる現象みたいな感じで、とても気に入っています。
あまりファンタジーに縁のない方は、魔法?あんまり分からんって思う人もいるかと思うんですが……好きなんだよなあ~~~✨✨こういう細かい【精霊法】とか、魔術とか、魔力とかが。
ジグラートはあからさまな魔法は基本出て来ませんが、
実は魔法や精霊の存在しない、皆無の世界ではなかったりします
私の大好きな隠れ【精霊法】が今も世界をきちんと統括した秩序ある世界なので、
目に見える世界観では精霊など忘れ去られて底辺に置かれた存在でも、
実は真理の世界では世界はジグラートでも精霊が頂点に君臨し続けている世界観になります。
私の描く世界の全てが、そういう世界観で作られてます。
例え私が機械化された近未来的なファンタジーを書いたとしても多分その世界でも俯瞰で見ると必ず精霊が真理の頂点に存在して世界観の骨組みを作っているのだと思われます
精霊が呼んでいたネーリの名を、人間である王妃が私欲の為に奪いました。
でも精霊にはそんな目に見える世界の柵など全く関係ありません。
ネーリが別の名前を自ら名乗るのならば、精霊は必ず彼の名を新しく見つけ出し、呼びかけてくれる。
魔術師の話で、私は精霊の残酷さと正しさと向き合い続けて書いていたので、
上記のようなことが起きた時、無性に精霊の愛情深さのようなものを感じるんですよね。
フェリックス書くの好きなんですが、理由は彼を通して時々精霊界の動きを書き表すことが出来るから。そういうのも理由の一つです。
でも一番の理由は単に大きいカッコいい強そうな竜がお行儀よくお座りして小首をかしげてる姿が可愛いからだけどな!!✨
かわいいな!!でっかい動物は!!
でっかい動物は最高だ!!✨
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