第6話 言葉遣い

実は、状況に応じて言葉遣いを変えたり、一人称を使い分けたりするキャラが大好きです✨

あまり使い分けないキャラもいるし、とても使い分けるキャラもどっちもいるんですが、要所要所で使い分けてるキャラがいると素敵に思えて大好きになります。

普段「俺」と言ってる人が、目上の人と話す時に「私」になるあれです。

つまり周囲の人間や環境に応じて自分を細かく適応させてるんですよね。そのクレバーな感じがとても素敵で、ドラマとか見てても「おあ~~!!!この人いつも「俺」って言うのに今「私」って言った~!!!」とか気づくと嬉しくなる。

「俺」を「私」と言うのは最も基本的ですが、例えばジグラートのラファエルなんかだと、イアンやフェルディナントと喋る時は「俺」ですが、妃殿下と話す時は「私」で、決して「俺」という一人称は使いませんし、女性やネーリに対して優しく喋りたい時などは「僕」も使ってます。親しくないけど女性に対しては身を正して「私」を使いますし、かなり一人称を細かく使い分けて話しているキャラの代表格。

ネーリに対して「僕」が出るのは、幼い頃の親しみの部分が出てるから。


一人称でも人間関係や、相手と自分の距離感、関係性、そしてもしかしたら隠れた感情まで表現できるって日本語ならではの素敵な表現方法だと思うんですよね。

例えば英語なんか一人称は老若男女「I am」じゃないですか。どこまで行っても「I」ただ一つですが、日本語は「俺」「私」「僕」「わたくし」「それがし」「拙者」「じぶん」など自分自身や環境に応じて自らを表現する一人称がたくさんあり、それをどう選ぶか、選ばないかで色んな事が表現できるのが創作的に本当に素敵な言語だよな~~✨って思って気に入ってます。


一人称も使い分けるの好きですが、更に上級編は言葉遣いも変えて来ます。


単なる敬語というだけじゃなくて、相手によって身分や状況対応させてる言葉遣いなんかしてるキャラ見ると大好きになりますな!


ジグラートのイアンがその最もたる者であり、

彼は普段なまりが出てますが、これが素の状態。

王家の子なので母親の王妃には公の場では「妃殿下」「王妃」を使って「~です」と親子でも敬語を使っているんですが、母親に不意に気にそぐわないお見合いなんぞ画策されたら「ちょっと待て!!オカン!!!💢」と素が出て、「誰がオカンやの!!妃殿下とお言い!!!」と拳骨で殴られてますし、

ヴェネト王国の妃殿下、王太子の前では「私」と言い、なまりを出さずにも別に喋れます。スペイン王国を背負った公の場では、イアンは敬語を使い喋ります。

彼の場合そこに海軍が加わる為、船の上では「指揮官」として公なので「私」、や「使者を送れ!」など固い言葉遣いできっちり話すことを心がけています。しかし戦闘が始まると、襟を正してばかりはいられませんから、「右舷方向から潰したれ!」とか「ふざけやがって、俺が出てったるわ!!」とか素の状態が海将状態でも出ます。


どっちがいいとかじゃない。


船でも平時「敵に動きが無いかちゃんと見ていろ」などという言葉遣いで話しているのも素敵だし、そういうキャラが突然、

「嘘やろ! どこから来てん!!」とかバッと反射的に話して素が出る姿も素敵なのです。どっちもあって使い分けてるからいい。


イアンは王太子の近衛になったので、これから王太子と話すことが多くなりますが、立場上、彼は王太子の前では「私」を使い、敬語を使い、そしてなるべく柔らかい話し方をするよう心掛けたりしてます。

そのうち、ルシュアンがもっと打ち解けて欲しくて「普通の喋り方でいいんだぞ」って言ったりしますが、イアンはヴェネト王国に来た理由が通常の外交ではないため、王太子に取り立てられても、ヴェネトを去る時まで、ありがとうございますと言いながらも丁寧な言葉のままの関係を続けますが、それを好きにさせながらもルシュアンが心の中では(他の奴に喋ってる時みたいに、俺にも砕けて話してくれたら嬉しいんだけどなあ)なんて思って、この二人の場合、心境的にはお互いを理解して打ち解けて行っても、最後の最後に対立し、別離する理由が「国」になるんですが、最後の心の壁をイアンの「言葉遣い」で表現出来たらなあと思っています。


イアンは人と打ち解けると言葉遣いを崩す人なんですが、王太子ルシュアンに対してはヴェネト王国のやり方が許せないこともあり、一人の人間としてルシュアンを心境的には許していたとしても、彼はスペイン海軍の将軍で、スペイン王国の王子ですから。


――最後のプライドのように、打ち解けない心の壁が言葉遣いに出てた、


みたいなのを表現出来たらとても嬉しい


ネーリなんかはほぼ「僕」で喋るタイプなんですが、それでも今後、数少ない場所で「私」を使うことが出てくると思いますね。

普段人懐っこく「ぼく」で喋ってた人が、しかもとても親しい間柄の人が、例えば、フェルディナントが。ネーリに「私」を使われた時の心の衝撃ってものすごい強いと思うんですよ。すごく心の一線を引かれた気がしませんか?

その時、お互いの立場の違いなどをまざまざと感じさせられる気がして、一人称や喋り方って変化させることで、キャラの感情まで一瞬で伝えられることが出来るのです。


私はこの手法がとても好きで意識してるので、今後もぜひ何となくではなく、非常に意識して一人称や二人称や言葉遣いは書いていきたいと思っています。


そうなんだよ~二人称も素敵ですよね~~!


その人と二人で話してる時は「おまえ」なのにその人のいないところでその人の話をしてる時は「あのひと」とか「あの方」とか言っちゃってたら……おあああああああああああああああああ!!!!!好きなんだな!!!好きなんだなその人のことがお前は!!!好きの感情が二人称に溢れ出てます!!かわいい!!!ってテンションが爆上がりしますのでぜひそういう風に書いていきたいと思っています

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