友達
アサ
友達
「知ってる? この学校のこの教室の鍵、夜に開けちゃいけないんだって」
放課後の教室で、誰かがふざけて言った。
「教室の鍵を開けると幽霊が出るらしいよ」
くだらない都市伝説。みんな笑い飛ばして、その日の会話は終わった。
夜。忘れ物を取りに戻った僕は、用務員さんに鍵を借りて教室に入った。
真っ暗な窓の外。もちろん何も起こらない。
けれど、風が吹いて、ガラスがかすかに鳴った。
「誰かいるの?」
心臓が跳ねた。聞き間違いだ。そう言い聞かせ、必死に走って帰った。
翌朝。いつものように友人たちと登校する。
「昨日、忘れ物取りに行ったんだろ? 大丈夫だったか?」
「もちろん。何もなかったよ」
そう笑いながら教室に入ると、隣にいたはずの友人が怪訝そうに首を傾げてこちらをむいていた
「なあ……誰と話してるの?」
友達 アサ @atg1103
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます