交易の街にて

第12話 前途多難だ!

 ん〜清々しい朝!

 俺たちは第7地区要塞都市を出て、今は交易の街に向かっている。


 驚いた方もいるだろうか。いつモンスターが襲ってくるともわからない中で、俺はとても呑気に爽やかな日差しを満喫していた。何故かって?


「コージさんは危ないので下がっててください。僕の魔法があれば安全ですよ。」


「ライヒもまだちっちゃいんだからハイゴズに守られときなよ。コージ、私の爪で貴方を絶対に守ります。」


 こういうことだ。うん、確かにライヒには俺のこと助けて♡って言った。でもそれは俺たちはライヒを受け入れるよーっていうただの意思表示だったんだけど…。ここまで過保護になるとは。


 タナに至ってはどうしたの?今まではそんなに俺のこと大好き!ってキャラじゃなかったじゃん。なになに…「優しさを教わった分だけコージに返しています」…なるほどな。そっかぁ…ありがとね。


 ライヒとタナはそれぞれとても強いけど、たまに連携ミスでこっちにモンスターが漏れてくる。そういうときはハイゴズに教わった限界突破で身体能力を上げてからモンスターを倒す。ちなみに、多分ライヒの身体強化魔法より力が強くなってるので、正直に言うと楽勝です。


「お前らな…。そんなんじゃコージが成長しないだろうが。」


 呆れ顔でハイゴズは言うが、その声色は穏やかだ。そういえば、ハイゴズが魔王を倒したときは何人のパーティで戦ったんだろうか?


「俺はパーティなんて組んでなかったぞ。だからこんなに騒がしいのは慣れてねえ。だが…、こういうのも悪くないかもな。」


 ええ…。ドン引きだわ。このおっさん魔王単独討伐したの?本気で人間か疑わしいぜ。


 そう思うと同時に、ハイゴズへの尊敬の念が巻き起こる。ぱっと見はくたびれたおっさんだとしても、俺がずっと憧れていた勇者は凄いのだ。


 やっぱり俺は勇者になりたい。


「2人とも、俺のこと守ってくれてありがとう。でもここからは俺も前に出て戦うよ。」


「…コージ。その心がけは立派だがな、もう交易の街に着くぞ。」


 な、なんだってー!


◆◇◆◇◆◇


 「花の町に行くためのただの中継地の1つではあるが、折角交易の街に来たんだ。何か必要な物があれば買っていこうか。」


 そう言ってごそごそポケットをまさぐる俺。


「…」


 鞄の中を探す俺。


「…」


「おい、まさかお前…。」


 財布無くした!?

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