二人の中に渦巻く感情は、読者の心すら揺らがせる
- ★★★ Excellent!!!
これは、大正浪漫香るどこかのお国のお話。
主人公は剣に生きる華族の女の子、黒宮火花。主人である雅臣と友人である拓海。そんな三人との楽しくも少し甘酸っぱい青春を過ごしている中に異物が入ることとなる。
紫苑玲。祖国を失い、亡国の王子となったこの少年に、ある日火花は模擬戦闘で敗北を喫する。
剣に生き、剣を愛すばかり周りとも衝突が多い火花は、ここぞとばかり反感を食らってしまう。
そして玲からは蔑むように、冷たく言われたのは「真面目にやれよ」だった。
怒髪天を衝く勢いで激昂し、雅臣に泥を塗ることになった事実に悶絶する。
それからは犬猿の仲。
名前が出る度に怒り、目が会う度に憎しみを募らせ、苛立ちが止められない二人。
しかし次第に二人は距離を詰め始め、あることを境に共に行動することとなる。
お互いの心に芽生えるのは、刺々しくも朗らかな感情。
けれど、これは恋じゃない──。
陰謀と愛憎が渦巻く大正浪漫ファンタジー。
バトルあり、仄かに恋愛もあり、火花を取り囲む環境に心が踊ります。
是非、プロローグを、1話を、そして第1章を、まずは読んでみませんか──。