一話ごとはとても短いのに、どちらにも不思議な清涼感が漂っていて、読後にしんとした余韻が残ります。海辺の怪談めいた優しさと、美術館の闇に潜む透明な怖さ。まるで違う題材なのに、共通する「人ならざるもの」との静かな対話を感じました。今後、この連作がどんなふうに広がっていくのか、とても楽しみです。