紹介文に4匹の猫のことが書かれていますので、モチーフは愛猫たちなのでしょう。そのことが徐々に読者に分かるように、緻密に構成されていてるところが巧みだと思いました。死んでいった愛猫も、生まれてきた愛猫も、作者の短歌からは、彼らへの愛情があふれんばかりに感じられるのです。猫が好きな方には特に心に響く短歌集でしょう。イチジクの根元に埋めてあげたいと母繰り返すメメント・モリ