第30話 ③義手はむずかしい
テレサは、国にいろいろなスキルを持つ人を探してもらって、とりあえず、この大砲を作るダンジョンに仮住まいをしてもらっている。場所はわからないようになっているから便利。
ブリジッタの義手を作るのに、どうすればよいのか、どのくらい元の機能を再現できるかなど、会議が続いた。
〇×△
ブリジッタの義手の開発は芳しくない。最終的には指が自分の意志で動かせればいいのだが、解剖学的に、その仕組みがわかっていないから、実装ができない。
神経自体は腕の先端まで来ているはずだけれど。
開発部隊は、考えていてもしょうがないので、森に入ってアライグマを捕まえ、手の構造を解析することにした。何体か解剖していくと、詳細な図面が出来上がったし、どこの腱が動くと指のどこを動かすのか、腕の筋肉と指の動き、どの神経が反応すると指先が動くなど、多くの知見が得られた。これは、その後の世界でも、有用な解剖学の資料となった。
上記の資料を作ったうえで、可能な限り人の動きをマネする義手を作りあげた。
最後は、本人が動かしたいと思った時のイメージを腕の先に伝えるかで、その時の信号らしきものを義手を構成している各種繊維に付与魔術でパッチングした。
半年ほどすると、日常の動作は、本物の手のように動いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます