ミュージシャン志望 夢咲セイラ

第24話 二次創作原作 タダノボク・ユメサクキミ

僕、忠野ケントは

大好きだった人がいる。



「少年、、大志を抱けよ〜」

っとそのお姉さんは、今日も夜の公園で突っかかってくる。





お姉さん、夢咲セイラさんと会ったのは

僕が、嫌なことがあってちょっとした家出をした時だった。


「う、うぇええキモチワルイ」


と、深夜の公園で唸っているギターケースを抱えた女性がいた。


僕は、家出をしたはいいものの行く宛もなく

何となく声をかけた。


「大丈夫ですか」


すると、

「あはは、水買ってきて」


と女性は言い放った。

それが、セイラさんとのファーストコンタクトだった。



「ぷはぁ、助かったよ少年!」

買ってきた水を一息で飲み干したセイラさんは僕に

そう言い放った。


「よ、よかったです。」

僕はそんな返事しかしようがなかった。


「話は、変わるが少年はなんで、こんな時間に出歩いてるんだい

――見たところ中学生か高校生だろ?」


僕は、ドキッっとしたそして

僕がどうして子こにいるのかを話した。

「じ、実は――

僕は、中高一貫校の高校1年生だ。

最近、中学校から気持ちを寄せていた同級生の女の子に告白をした。

その告白は、失敗。

それどころか、告白した後日から僕のことを揶揄う奴が増えた。


そして、段々とその揶揄いがエスカレートしていき

僕は、学校に行かなくなった。



最後まで、話し終えた後

しばらく、沈黙が支配した。


その沈黙を破ったのはセイラさんの

啜り泣く音だった。


「ど、どうしたんですか?」


「いや、君は悲劇の主人公だったんだね。かくいう私も、高校生の卒業式でフラれたたちでね」



フラれた?この酔っ払いが?

よく見てみると、彼女はお世辞なしでも芸能人のして通用しそうな

ルックスだ。

今の、姿がキャミワンピースにスカジャンで

そのスカジャンが着崩れていて、ほぼほぼ下着姿なのが目に毒だ。



セイラさんが素面で学生服を着ていた場合。

僕の、学校では頂点を取れそうな見た目だ。


「どんな人だったんですか?」

フッた人が気になってつい聞いてしまう



「いやぁ〜少年。私こう見えても高校では生徒会長をやっていたほどに真面目で優秀だったんだよ。まぁ、親の指示に従っていたんだよね。毎日、勉強と委員会活動に時間を費やしていたよぉ〜」


「は、はぁ。じゃあ音楽とかはしてなかったんですか?」


「そう。私が好きになった人っていうのが、親の呪縛から私を解放してくれて

こうやって音楽を出来るようにしてくれたんだよ。そして夢咲セイラただいまバンドをやっています!インディーズだけどね」


なるほど、確かにすごい人だ。

人の家庭環境の問題を解決するなんて。

ラブコメの主人公みたいだ。


セイラさんは糸目だった目を開いて

「それでだね、少年。私が言いたいのは

嫌なことがあったら逃げていいんだよってことだ!」と言った。


僕は、セイラさんのその言葉に救われる気持ちを覚えた。


その気持ちを覚えると同時に、彼女の顔を直視できなくなった。

なんだか、ドキドキして顔が赤くなってしまう。


彼女の前にいるとどうしようもなく、心のドキドキを抑えられなくなり、

「失礼します!」


と叫んで、その公園を後にした。


「どうしたんだい少年?」

というセイラさんの言葉を背に。





次の日。

同じ時間に同じ公園へ行った。


またあの酔っ払いに会いたかったからだ。


しかし、彼女の姿は見えなかった。


諦めて帰ろうとしたその時だった。

「少年!」


と声がした。

その先を見ると、昨日よりもきっちりとした服装のセイラさんがいた。


「セイラさん」


セイラさんと、僕は公園のベンチに座った。


「昨日は悪かったね。不快にさせただろうか?」


僕は、答える。

「いえ。全然。逆に救われました。」


その声を聞いてセイラさんはホッとした様子だった。

「よかった。昨日、初めてお酒にチャレンジしてね。あんなにも私は酒癖が悪いとは。。。」


「ぶぅ」

僕は、反省したようなセイラさんの物言いが何となく面白くなって。

吹いてしまった。


そしたら、セイラさんも

「ふふ、なんで笑ってるんだい。ふふ」

とつられて笑っていた。


その日別れる最後に

「少年、良ければ私のバンドを観にこないかい?

ほら、チケット。dodgy butterfly怪しい蝶という名前なんだ」


「あ、ありがとうございます。」


僕は、その日スキップをして帰った。


セイラさんの演奏する姿を思い浮かべて。





後日、僕はセイラさんの地下ライブ上にいった。

dodgy butterflyは大トリだった。


みんなを沸かせ演奏する姿に僕は心が打たれた。

何より、演奏するセイラさんの姿は――美しかった。



演奏後、セイラさんの楽屋に僕は呼ばれた。


「何その子かわい〜」

ドラムを叩いていた女性が僕を見つけそう呟く


「あ、あのセイラさんは?」


「セイラ〜あんたの小さなカレシが来てるよ〜」


「か、カレシとかじゃ、、」

(完全にこの人のペースに飲まれている)

僕は、ドキマギした。



「おう、少年!観てたか?私たちの演奏」


「はい。カッコよかったです」


「そうか、そうか」

そう言って元気よく笑う、セイラさん。


僕はこのライブが忘れられないモノになった。

この日から、僕はdodgy butterflyのファンとして

ライブ会場に足繁く通うことになった。






セイラさんとは、公園で週に2度会うことが自然と決まりのようになっていた。

それに加えて、連絡先も交換して相当親しくなったと自負している。


僕はセイラさんと話すことが楽しみになっていた。

そして、


「少年、最近どうだい?」


「最近どうたって、、」

幸せですよ。あなたのお陰で


そう言いたかったが

「ぼちぼちです」


と、いつも強がってしまう





そんな日常が、何週間か続いた後のことだ。


「どうしたんですか?」


その日はセイラさんが浮かない顔をしていた。


「いや〜ちょっと勇気が必要な決断が必要でね」


勇気?

あのセイラさんが?


「どうしたんですか?」


と僕が尋ねるがセイラさんがまぁねといって

僕の言葉をかわす。




僕は、自分の家にある自転車を取りに行く



そして、

――チャリンチャリン

ベルを鳴らす


「少、年?」


セイラさんが僕に方を振り返る



「ドライブ、しましょう」


「ふふっ、チャリで?」


「もちろん」


僕らは2人でドライブに行く行き先は

近くの海だ。


「いいぞ少年!早いぞ!」


「はい!」


セイラさんは、元気を取り戻して

僕は、そんな彼女の姿に元気付けられた。



そして、浜辺で僕とセイラさんは肩を寄せ合い

2人で、海を観ていた。


「少年、ありがとう」

ボソッと聞こえたその声は、

静かだが芯の通ったモノだった。


「勇気持てました?」


僕の言葉にセイラさんは少し困ったような表情をした後で


「うん」

そう言って笑った。



僕は、やっとあの日

彼女が僕を救ってくれたお返しができたそんな気がした。



――彼女がライブハウスから姿を消すまでは。




次のdodgy butterflyがでる、ライブで

セイラさんの姿はなかった。


セイラさんのポジションに他のバンドの人がヘルプで入っていた。



ライブ終わりに出待ちをした僕は真相を確かめようとした。


最初に出てきたのは、僕が初めてライブに来た時に僕を揶揄った女性だった。


「すみません!」


僕の言葉に彼女が振り返る


「ああ。君ね」


と、疲れたような顔だった。



「セイラさんは?」


僕は彼女に問い詰める



「知らない方がいいと思うけどぉ〜」

彼女は頬を書いて申し訳なさそうな顔になる



「教えてください」


僕は、一歩彼女に向かって踏み出す



「わかったわかった。言う言う」


僕の気迫に気おされたようだった。


――彼女、辞めたよ



僕は絶句した。



「どう、、して」


「何でも、実家の会社が経営の危機に陥って。お得意様の30コ上の社長と結婚したらしいよ。たしか、、黒田って人だっけ?」


嘘だ。

彼女は勇気を持てたって。

僕のおかげで、決断できるって

今度は。僕が、、救ったハズなのに



「嘘だ、」


「まぁ、君の気持ちもわかるよ」


「嘘だ!」

僕は叫んでその場から逃げた。



その日から、公園にセイラさんは居なくなった。


数日後、セイラさんから

メッセージが届いた。



良かった、、



そう思って開けたメッセージには


『少年。主人が送れというから送るね』


という言葉と共に

嫌がるセイラさんに無理やり中年の男が襲いかかる映像が載っていた。

段々、とセイラさんの抵抗は弱くなっていき、最後にはされるがまま

中年男に弄ばれていた。


添え書きには

『これが、主人との出会いだよ』

と添えてあった。


また、映像が送られてきた。


甘い声で、セイラさんが「もっと♡。私は、もう何も考えられないよ。」と嘯き。

「そうかそうか。。」と、画面に映る中年男性がニヤニヤ答え、腰を振る映像だ。

セイラさんの衣装はいつもの服よりもさらに際どいものだった。

「これが欲しいのか」と男はブツを取り出す。セイラさんはそれにむしゃぶりつこうとするが、首輪が邪魔をしてブツまで口を寄せることができない。

食べれそうで、食べれない獲物を前に獣は「はぅ、はぅ、」と段々と

段々と息遣いを荒くする。


首輪の拘束が解けた瞬間。

その獣は、主人に襲いかかる。



主人は、その獣をしっかりといなす。


しばらく続き、獣の体力がなくなったところで、

主人が、獣の首を撫でる。


獣は、幸せそうなかおで「ふにゃ〜」と声が漏れる。




僕は、その映像を見ながら、

セイラさんのことを思い浮かべていた。

彼女と過ごした数週間は、人生で一番。楽しいものだった。

その楽しかった記憶は白い絵具で塗りつぶされていった。

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