第10話 愛の定義

自分が辛い時にある言葉が聞こえてきて、その言葉に心打ち震えていた。

その言葉とは愛の定義で

一つ目は

「好きでい続けるのは難しく、その難しいことをし続けることが愛である。」

二つ目は

「愛とは成しえて初めて愛とよぶ。」

この二つの言葉を私に教えてくれたKが私と一緒に文章作法してくれて、

その文章作法している際に二人で駆け上がっていく感じがあり、その先に希望のようなものがあった。

私は倫理の教科書に書いてない愛の定義が人を救うと思っていた。

人は絶望のふちにいる時それでも光のような感情が心にあらわれたら生きたいと切に願うのでしょう。

Kが苦しい時、私が聞き入っているとどんどん愛の定義を言っていったが、

最後あたりに「愛は勝つ。」と言われ昔流行った歌手のカンの音楽の題名と同じだなぁと

ぼんやりと思い筆を執るのをやめた。

言葉というのは少しの違いで大きく内容が変わる。

その時代の家族の象徴と書くと天皇家のことだが、その時代の家族の在り方と書くと

その時代にいる多くの家族だったり、その時代だからこその家族だったりする。

文筆家のKは言葉のあやつりかたが手練手管で素晴らしい。

その文章作法の際の思いがけない表現だったり、家族の在り方というような言葉のように

本質を突いた言葉の選択だったりが私(赤い服の女)の心を浮き立たせる。

私の友人の妹が『たまもえ』という小説を書こうとしていた。

その小説の中にはこの時代の家族の在り方があった。

たまもえ、魂が燃える、たまに燃える、つまり死んでしまうという意味で

それだと嫌だから友人はたま萌えが表現は嫌だけど意味は良いなぁと言っていた。

友達のお父さんが出版社の新しい社長に就任して、仕事のことで悩んでいた。

その後体調の悪い中で、お風呂に入った後甲冑の中に入って死んでしまう。

友達のお父さんは妹さんに魂が燃えるのたまもえにしなさいと言っていた。

友達の妹はある女性をモデルに主人公にしようと物語を作ろうとする。

そのある女性は華奢でそんなに背の高くない女性でコンテンポラリーバレエを習っていて、

そのバレエを踊っている時以外はとても暗い。

その二面性を鮮烈に描き出したいと思っているのでしょう。

その後、色々な大学の学生が暴動をおこし、第二の学生運動が起こる。

コンテンポラリーダンスのバレリーナが暗くなった理由が私だった、

あの人と私のことも物語の中に書き込まれるのは私が悪者になるのではないかと思って

ちょっとやだなぁと内心思った。

聞こえる声がただの病気だけでは収まらないのは、こうして文章化することによってである。

私(赤い服の女)は小説家になりたく、小説家は自分で言葉を紡ぎだしていく。

毎日鉛筆を持ちながら眠りに入ろうと決意した。

が、一度それをやってみたら嫌な夢を見て、寝る時は普通でいいのではと思った。

夢の中で多くの人が何かを見に行った後にかくれんぼのようなことをし、

はやく見つかると冷気や熱気が少しですむが、

長く隠れていたりするとそれがあまりの冷たさに凍傷したり熱さに火傷する。

私が一日ちかく隠れどんどん熱気が帯だしてマグマのような炎で

このままでは多くの人を殺してしまうということがあった時、

姉が決断してくれて「あんた辛いのは分かるけど人に迷惑かけるし、もういいね。」と言って

私をこの世から葬り去る決断をしてくれた。

それで苦しいのかもしれないけどほっと安堵して死ねると思った。

そういう夢を見るが、それでも鉛筆を顔に刺し、「寝てはだめ、寝てはだめ。」

と言いながら眠りにつく。

何度か鉛筆を持ったまま寝たが何度も悪夢を見た。

それでも鉛筆を持って寝ることを決めた。

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