第11話 恋する惑星

『恋する惑星』という香港映画の評論を書く。

題名の惑星と言っているところが人間の営みを宇宙規模まで解釈できるようでいい。

一人目の男。

男は女を待っていた。

人を待つとき、今の時代は普通はスマートフォンを見ながら待つだろうが、

その男はカクテルの色を目に移すように、じっとカクテルをみつめながら待っていた。

その待っている時間は長くて短い、短くて長い時間だった。(それを短くて長い、長くて短いとどちらがいいかしばらくの間悩んでいた)

二人目の男はグンゼのランニングシャツを着ていた。

職業は警官。

女は男の部屋で自由にしていた。

『恋する惑星』という香港映画の評論文を書き終わったころ、

左手首にあった銀色の腕時計をひじぐらいまで腕まくりするようにあげ、

左手にペンを持ち、空気中に字を書くような動作をした。

すると、空気中に銀色の文字が書けるような感じがあり、

左利きの二人の人とシンクロするような気がした。

一人は普段は男性なのに文章を書く時だけオネエになる人だった。

もう一人はそのオネエに好かれている、才能のある男性であった。

オネエは私が女性であることに不満があり、どぎついことを言ってくる。

その才能のある男性が理知的な文章を書いているとき、私はその表現じゃないとか

そうじゃないとか書くのを中断させていい添削者ではなかった。

映画雑誌の評論文を書いている二人は会社の人たちと入社後初めての

合宿のようなものに参加している。

そこで、皆で文章を書きあげ批評し合っているが、

あまりに真剣になりすぎて偽物のなたを振り上げて下手でなおかつやる気のない人に脅しをかけている。

それがいつの間にか本物のなたにかわっていて大怪我をする人が出てくる。

最後に、汚い字でただばーかとかあほーとか、まのびしたそういう言葉の表現しか出来ないのは

たぶんシンクロしている人が別の人に代わったのでしょう。

ニーチェは「神は死んだ」と言ったが、

「神はいる、神はいる、神はいる、神はいる」と念じるように言っている人がいて、

はっとさせられた。

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