第2話 違和感
院内の中は思っていたよりもずっと暗く、かなりジメジメと湿度が高く、カビ臭いような薬品臭いような異臭もしていた。先を歩く二人は早速周辺を撮影し、ゆっくりと歩き始めた。
最初こそ、話しながら歩いてたものの徐々に話すことがなくなったのか一階、二階と黙々と歩き周り撮影、写真を撮ったりなど作業をこなしていた。
すると周りを照らすのに気を取られていたせいか、つまづき懐中電灯を落としてしまった。急いで拾い上げ、再び前を照らしたら前を歩く二人がこちらを見ていた。
「ゴメン」
と謝る自分を確認し、再び前を歩き始めた。
三階に向かう階段を歩き始めた時、上から「カンッ」と金属音がした。
二人は顔を見合わせ、音を立てずに急いで三階に向かった。音の鳴った方向を壁際に隠れて二人は確認したが、誰かがいるわけでもなく、人の気配も感じられなかった。
だが、この階の空気は下の階とはあきらかに変わったのはその場にいた全員が感じ取った。蒸し暑かった空気は冷たくなり、喉を圧迫されてるような息苦しさ、不快な程の動悸を感じた。そしてこの階は、夜になるにはまだ早いはずなのに外の光が一切入ってこないほど暗かった。不思議に感じてると、
「カァーン、カァーン」
今度はすぐ近くで聞こえ、あまりの音の大きさに驚き、また持っていたライトを落としてしまった。落とした懐中電灯の光がこちらを向いた二人の足元を照らした。
「ゴメン……。」
落とした懐中電灯を掴もうと手を伸ばした先に二人とは別の足があることに気づいた。
その時、強烈な目眩が起きそのまま気を失ってしまった。
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