心霊スポットにて…

第1話 いわくつき

汗だくになりながら自転車を漕いでいた。

約束させられた集合時間まであと三分、市内の廃病院まではもう少し。

最後の曲がり角を曲がった先で二人は雑談していたが、こちらに気づき手を挙げた。

二人共クラスメートだが、特別仲が良いわけではない。たまたま席が近くになり、たまたま話す機会があり、オカルト好きな自分をYoutuberをしてる二人が興味を持ち、市内で有名な心霊スポットに行くことになった。気乗りはまったくしなかったが…。

二十年前に閉院したのだが持ち主が所在不明になった為、今現在も建物自体は残ってしまっている。近隣住民は不良連中のたまり場になるんじゃないのかと不安がっていたがなぜかそうはならなかった。一時的にそういった輩の出入りはあるのだが、なぜか気づいた時には寄り付かなくなっている。

閉院した理由ははっきり分からないが、ある噂では余命短い患者が飛び降り自殺をし、それ以降何度も屋上から人が落下する目撃情報が複数の患者から報告があった。

また、ある噂では医療ミスを起こしてしまい患者を死なせてしまい、亡くなった患者が深夜に病棟を徘徊する男性が目撃される等のいくつかの噂は耳にしたが本当のところは分からなかった。

しかし、その噂を聞いて肝試しに行ったカップルが行方不明になってしまい警察に捜索願を出した事件はあった。今現在も見つかっておらず捜索は続いてる。

また、面白半分で院内に侵入した不良グループもいたが幸い行方不明にはならなかった。

ただ、生きた状態ではなかった。

全員が建物内の同じ部屋で血だらけで亡くなっていた。不思議なのはその場にいた全員の血が互いに付着していたそうだ。まるでその場で殺し合いでもあったかのように。

そういった事件があったせいか今では、侵入する人はいなくなってるようだった。

二人はスマホで撮影をし、自分は用意されてた懐中電灯で後方から院内を照らす役割だった。日が落ちかけてきた頃、病院の側面に移動し割られた窓から侵入をした。