恋海月

Rie

— 甘い痺れ —

---


ご覧になりますか


こんなに とろけてしまいました


ふれても かまわないのですね


毒があると 知っていながら


 


水の底では


みな 素直になるのでしょう


抱かれるたびに


正しいことが 遠ざかってゆくのです


 


脈の奥まで


あなたが這ってまいります


それを快いと


どうして言えてしまうのでしょうね

わたくし


 


クラゲのように


うすく、うすく 透明でも


欲しがっているのです


あなたの欲で 濁されることを


 


もしも これが


罪と呼ばれるものでしたら


どうぞ 罰を与えてくださいませ


わたくしの、いちばんやわらかいところで



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恋海月 Rie @riyeandtea

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