第5話 深夜邂逅
今日はもう遅いからと二人が帰り、俺は寝ることにした。その日はすやすや寝られたらよかったと思う。ふと鈴の音で目が覚めた。寝ぼけていた頭がギュッと締め付けられた。ふと扉の曇りガラスの部分が光った。「高橋さん。入ってもよろしいでしょうか? 」声で気が付いた。今日色々してくれた看護師さんであった。ただ、面倒くさかった俺は寝ているふりをしようとした。
「起きてるのは分かってんだよ」ふと荒げた声でドアを叩く、ビクっと起き上がり、ドアを重視した。曇りガラスが朱色になっていることに気が付き、震えが止まらなかった。「幸樹、お前のせいで僕死んだ」友人の声が聞こえた。「私も、宗助もお前が山に誘ったからこんなことになったんだ」また声が変わって、友人の母になった。「茨城県警の佐藤です。貴方のせいで人生が終わりました。娘も居たのに。ぎゃぁぁぁあああああ」警察官の声に変わった。窓を叩く音がいつの間にか「シャランシャラン」と鈴の音に変わり、俺は布団をかぶって祈るしかなかった。
どのくらい怯えていたのだろうか、音が止んでいたと気づいた俺はふと外を見ると朝陽が病院を照らし始めていた。何なんだったんだよと考えていると外が騒がしいことに気が付いた。
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