「呪われた者同士」が夫婦として出会う時、何かがたしかに動き始める

 着実に着実に幸せになれていく。その感じが本当に素敵な作品です。

 主人公の日向は「異能」を持つ家系に生まれる。でも妹の葵のように力を発現できず、代わりに瞳が奇妙な光を放つとして君悪がられ、迫害される日々を送っていた。

 そんな中で嫁ぎ先を急遽変更され、上月家へと嫁入りすることに。

 ここで、結婚した相手が優しくてイケメンで、自分のことを溺愛してくれる人だったら。そうなれば一気に救われるのに、と思わされます。

 でも、肝心の夫はとても酷い病(または呪い)に苦しめられており、まともに動くこともできない。症状は顔にも出ているため、普段は狐の面をしていることに。

 それでも「何か」が急速に動き出していく。呪いに蝕まれた夫と、呪われた瞳をもつとして迫害されてきた日向。

 呪われた者同士が出会うことで事態が変化し、見えている世界も変わることに。

 その後の日向わ巡る人間関係がとにかくあたたかくて微笑ましい気持ちになりました。どこまでも健気な日向。環境が変わることでどんどん美しくもなっていく。
 優しい彼女が人から愛され、人に大切にされていく。その姿に心を癒されます。

その他のおすすめレビュー

黒澤 主計さんの他のおすすめレビュー2,203