声が届くなら、この二人にツッコミを入れたい!
読み進める中で、読者は間違いなくそんな願望を抱かされることになります。
高校生の丈瑠と志津香。二人は幼馴染で、手を伸ばせば部屋の窓に触れられるような環境で暮らしている。
そしてしょっちゅう漫画の貸し借り、ゲームの貸し借りはする。そして互いの部屋で過ごすようなことも。
そんな二人の悩みは、「高校生になってもモテない」、「告白を一度もされたことがない」ということ。
ある程度は親しくなっても、「それ以上は踏み込んではいけない」と思われてしまったり、丈瑠もなぜか「義理チョコすら貰えない」という事態になっているという。
原因は何か、と話し合う二人。それはもう、気心のしっかりと知れた感じに、互いに強い共感を抱きつつ話し合います。
ここまでくれば、読者ははっきりと「原因」に気づきます。
「お前ら、そういうところだよ!」と。
自分たちが傍からはどう見えているか気づかない二人。それでも本人たちの悩みは深刻。
「お前らもう、付き合っちゃえよ!」と机を叩きたくなること必至の、とてもナイスなラブコメディです。