第18話 照れギャル&鈍感ドスケベボーイ


 金城はその後、宿題が終わっても俺の部屋でダラダラと過ごし、いつの間にか18時になっていた。


「金城、もうこんな時間だしいつまでもゲームやってないで、そろそろ帰る準備をだな」

「うわー、西山ってすぐお母さんみたいなこと言うね」

「いつまでも居座られるとそれはそれで困るだけだ!」


 金城は宿題のコピーが終わるなり、勝手にかなり長めのRPGを始めたので帰る気あるのか疑うレベルだったが、結局なかなか帰らないのである。


「んじゃ、これクリアするまで」

「あと30時間かかるんだが⁉︎」

「あーもう。普通さ、わたしくらい可愛い女子いたら『はあはあ、愛希たん一生帰らないでえ』ってならないの?」

「すぐ俺をキモオタ扱いするな!」


 おぱ吸いを読んでいるからと言って、キモオタと同列に扱われるのは嫌という、まさに同族嫌悪である。


「それに自分のこと可愛いって……自分からは言わないだろ普通」

「別にいいじゃん。逆に西山から見たらわたしって、可愛くないの?」


 金城は余裕の面持ちで、その可愛い顔を俺の方に向けて聞いてきた。


「そりゃ事実として金城はめちゃくちゃ可愛いし、自慢したくなるのも分かるけどさ……なんか自分からそう言われるとせっかくこんなに可愛いくて優しい金城なのに、全部冗談みたいに聞こえてもったいないっつうか」

「……っ」


 金城は急にゲームの電源を落とすと、バッグに自分の荷物を詰め始める。


「お、おい、急にどうしたんだ?」

「……きょ、今日はもう帰るし」

「え? お、おう」


 急に意見を変えて雑に荷物をまとめた金城は、バッグを手に颯爽と部屋から出て行こうとする。


 さっきまでは居座ろうとしてたのに、急に態度変えてどうしたんだ? 


 RPGに飽きたのだろうか?

 確かに飽き性の金城にRPGは無理があったよな。

 でも俺の家、RPGしかないからな……まあ、飽きてくれたなら好都合か。


 俺はそんなことを考えながら、玄関先まで金城を見送ることに。


「あの、大通りまで送ろうか? 暗いから変なやつに絡まれると大変だし」

「大丈夫だから!」

「え、あ、ああ」


 不機嫌なのか何なのか分からないが、やけにさっきから声に余裕がなくなっている金城。

 ほんと、どうしたんだ?


「それと……最後に言っとくことあんだけど」

「言っておくこと?」


 玄関のドアの前で、金城は俺に背中を向けながら言う。


「その……わたし以外の女にも、可愛い可愛いって言ってるの見たら思いっきり殴るから」


 金城は振り向きざまにその真っ赤になった頬を俺に見せながら、謎の忠告をしてくる。


「え、な、殴っ? なんで⁉︎」

「分かった?」

「は、はい!」


 俺はとにかく必死に首を盾に振る。


「あと……また来るから。RPGの続きやらないといけないし」

「え、RPGに飽きたからやめたんじゃないのか?」

「それは照れ顔を! じゃ、なくて! 門限あるから帰る! またね!」


 金城はやけに荒ぶった声でそう言い残し、そのまま帰ってしまった。


 照れ顔? なんのことだろうか。


 あと他の女子に可愛いって言うなとか、束縛系彼女みたいなことを言っていたが、あれもなんのことだろう。


「まあ……いいか」


 俺は再びドアの鍵をかけると、金城の残り香がある自室へと戻っておぱ吸いの続きを読むのだった。




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