第17話 ギャルとオタクのすれ違い(ラブコメ)


 そのまま一緒にプリントを最後まで終わらせた俺と金城。


「金城って意外と勉強できるよな」

「意外は余計だから。けどまあ、確かにわたしって昔から頭良くてさー、宿題は飽きて出さないのにテストだけは勝手に頭が動いちゃうから、すぐ解けるの」


 なろう系主人公かよ。


「毎回すぐに終わっちゃうし、いつも残り時間は寝たりして暇を潰してる。でも結果は上位だから誰も文句言えないんだよね」


 なろう系主人公かよ。


「じゃあなんで私立のうちに来たんだ? お前くらい頭が良ければ、すぐそこにある県立の夏浜中央にも行けただろ?」

「んー、なんとなく? 中学の頃から仲良かった姫奈も行くって言ってたのもあるし、あとここの制服って可愛いからねー」


 制服……か。

 確かにうちの制服はリボンやネクタイがカラフルでデザインも定期的に見直されているらしいので、ファッション方面での人気は高いらしい。


「まっ、なんだかんだで西山みたいなのとも友達になれたわけだし? 結果オーライみたいな」

「みたいなのってなんだよ! それと……俺たちって友達、だったのか?」


 そもそも友達になったという意識はなかったんだが……俺たちって友達なのか?


「不満なん? 友達なのが不満ならの関係にでもなっちゃう?」

「なっ! なるわけないだろ! そうやってすぐ揶揄うな!」


 急にとんでもないことを言い出すなこいつ。


「俺が言ってるのはな、友達以前の問題で、そもそも俺たちは友達だったのかっていう」

「細かいなぁ……西山のそういうグタグタなところだけはほんと飽きるわぁ。別に友達でも彼氏でもなんでもいいじゃん」

「良くないわ!」


 ギャルらしくかなり適当なところがある金城。


 適当とはいえ、俺のことを友達だと言ってくれることは素直に嬉しいが……。


「西山はさ? わたしと友達なの、嫌なん?」

「いっ! 嫌なわけあるか! 金城みたいな人気者が、俺みたいなぼっちにでもこうやって普通に接してくれるのは嬉しいし!」

「ふっ、めっちゃ素直じゃん。でも、よく言えました。西山のそういうとこは飽きないんだよねえ」


 そう言って金城はまるで子どもを褒める歳上のお姉さんのような、慈愛に満ちた笑顔になる。

 そんなことに飽きる飽きないとかあるのか?


「なんか今日は気分いいし、今日だけは門限、破っちゃおっかなー」

「それはダメだろ! 親御さんが心配するし、暗くなると変な輩も増えるし! それに今日やる予定のプリントは終わったんだからもう用事はないだろ?」

「…………」

「な、なんだよその目! 俺はなんも間違ったこと言ってないだろ」

「はぁ……西山のそういう、素直だけど真面目で空気読めないの飽きる」

「マジでどういうことだよ! 正論だよな!」


 金城はさっきの笑顔とは一転、かなり不機嫌そうに頬杖をついた。

 ほんと、金城の感情はコロコロ変わるから大変だな。


「てかプリント。西山のやつで一緒にやったんだから、わたしに写させてよ」

「はぁ……まあ一緒に解いたし、今回だけな」

「よっし。優等生ぶってる西山を共犯にできたし」

「なんだよぶってるって。俺は普通に優等生なんだよ」

「はあ? あんなエッチな本を読んでるのに?」

「そっ、それは……いいだろ」


 その話になると反論できない俺だった。

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