第37話 執務室での会話

~執務室~


「ハルナはどうだった?」


「傷だらけでしたがかなり成長していました、魔力量もそうですが、剣の腕も確実に上がっています」


真田は書類の束に目を向けながら手伝ってくれている石田とハルナについて話をしていた。


「そうか…ダンテ達からは何か言っていたか?」


「『ハルナの実力ならC級の亀裂クラックに挑んでも問題はない』と言っていました」


石田の言葉に真田は「そうか」と一言だけ答える。

何かを教えている様子でその後は黙々と作業が進んでいった。


「………石田」


「はい」


沈黙を破ったのは真田だった。


「前回も3ヶ月でハルナはランクを上げることができた、今回も3ヶ月で剣術を習得している」


「つまり、今回も力試しをしにC級の亀裂クラックに1人で挑ませると?」


「そうだ、ハルナの実力なら今回も可能かもしれない」


ハルナの成長速度は何故か一定で、止まらない。

3ヶ月と言う期間で大体は出来るようになってしまう。


「確かに、仮に無理だったとしても私たちでなんとかすれば良いですもんね」


「ああ、S級が4人もいれば滅多な事がない限り大丈夫だろう」


逆に言えば滅多な事が起きた場合は全滅の可能性があると言う事だが、そんな事をいちいち考えてもキリがないので考えないでおく。


対策や準備はするが、予想外の事が起きるのが亀裂クラックの中だ。予想外の事が起きた時はその時に考えれば良い。


「というわけで、ギルドマスターにC級の亀裂クラックがないか帰って来たら聞いといてくれ」


「分かりました、ところでギルドマスターはどちらに行かれたのですか?」


本当ならば真田と石田がやっている仕事はギルドマスターがやるべき仕事なのだが、それを真田に頼んで行ってしまったのだ。


「ギルドマスター曰く『他の5大ギルドから召集の連絡が来たから行く』とのことだ」


「他のギルドから?」


「ああ、詳しい内容は知らないが5大ギルドが集まるなんて滅多な事だ、何かあったんだろ」


真田は書類を書きながら石田にそう答える。

日本を代表する5大ギルドの1つである蒼天ギルド、他の4つのギルドも集まり一体何の話をするのだろうか?そう真田は考えながら仕事を終わらしていく。


「まさかS級の亀裂クラックが発見されたとか?」


「そうなればテレビで話題になるだろう」


「他国でゲートが見つかったとか?」


「それもテレビで話題になるだろう」


「他の国が攻めてくるとか?」


「可能性はあるな、だけどそれはギルドとは関係のない話だろう」


S級の亀裂クラックが見つかればそこを封鎖するために警察や自衛隊が動く、そうなればマスコミも報道し出すし。


他国でゲートが見つかれば、日本以外で初めて異世界と繋がる門が現れたということで世界的なニュースになるだろう。


他国が攻めて来る、は可能性として否定できない。

しかし今の日本に真っ向から戦争をして得をする国はいない。


S級ハンターという近代兵器並みの存在や

ゲートの先の同盟国やそこのS級ハンター達が数多くいる国と戦争なんてすれば被害は相当なものとなるからだ。


「とにかく、ギルドマスターは今はいない、帰って来たら何の話をしていたのか聞きに行けば良い」


「それもそうですね、その時になったら亀裂クラックの事についても聞いておきます」


「分かった、その時は頼むよ」


ここで話し合っても結局は帰って来たら全部わかることだ、真田は書類の束を1枚でも終わらせるために話を終わらせる。


石田も書類を終わらせるために無言で作業を続ける。


「………」


「………」


黙々と作業を続けて3時間後には書類の束は全てなくなっていた。


「ただいま~」


「ギルドマスター…」


「狙ってましたね、これ」


「?」


そしてちょうど良くギルドマスターが帰って来たのであった。


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仕事でも何でも1番大変な時にいなくて、終わった時に戻ってくる人って…いるよね?



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裏切り者達に復讐を…S級ハンターによる最恐育成計画 みっちゃん @mithyn

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