以前、本作の１話目の『７番』のみを読んで、
恐怖に震えていたのですが、
そこに別の短編『アイドル』が加わり、
書きおろしの３話目『ドーマンセーマン』で、締めくくられています。

『７番』『アイドル』をそれぞれ単体で読んだ時とは、
また違った読後感があるので、
是非、それぞれの短編と併せて読んでみて下さい。

もともと独立した短編だった一話目と二話目に、宮本様が新たに書き下ろした三話目を加えて、最恐の怪奇バトルものへと変貌を遂げました！

一話目は「七人ミサキ」の恐怖をいかんなく味わえる内容となっております。
いやぁ……恐ろしい幽霊ですね。
決して出会いたくありません。
本編では、幼いマヒロちゃんの可愛らしい描写の後で、ものすごい恐怖が展開されていきます。
この緩急に心が震え上がりました。
印象に深く残るホラーの傑作です！

二話目には、本作の主人公とも言うべき陰陽師が登場！
この回に登場するアイドル・レイラはまさかの……！？

そして、三話目にて、「七人ミサキ」と陰陽師がぶつかります！

戦いの行方、そして「七人ミサキ」となった者たち魂の行方は……是非ともお読みいただき、ご確認ください！！！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（301文字）

七人みさきとなった少女たちと、アイドルレイラを操る陰陽師賀茂
同作者の別々の話の登場人物たちですが、この度クロスオーバーしました

七人みさきとなって人々を手にかける少女たち
それに対して立ち向かうレイラ

七人みさきになった少女たちも可哀想ですが、人に手をかけた以上陰陽師に祓われるのはやむなしです

悲しくも、救いを感じられる最後でした

レイラと賀茂、彼らはなぜアイドル活動をしているのか、そもそも何者なのか
宮本先生の次回作で明かされることを期待しています

人の思いは、時にとんでもない力を生み出す。

それは、時に人を救う。
それは、時に人を殺す。

「念」が生み出す二つの物語が、交わり、激しくぶつかり合う、そんな短編。私は、最後は感動すら覚えた。

恐怖の果てにあなたは、どんなことを思うだろうか。

夏のノスタルジーから一気に恐怖へ引き込まれる展開が秀逸！
無邪気な日常描写と「七人ミサキ」の怪異が見事に対比されていて、読後にじわじわ怖さが残る。
香り・音・温度など感覚的な描写がリアルで、背筋がゾクっとする作品。