価値ってのは内容で決まる16
観客席では四人がこの状況を見ていた。
「アレ何やってるんだ?」
「何やってるんだろうな?」(銀ヤギ)
「本当何してるんだか」(ブラック)
「何してるんでしょうね?」(三谷)
四人は投げキッスやダンスを始める黒ヤギを冷めた目で見てた。
否、会場全体が冷め切っていた。
「あいつってすごいよな滑ってもめげない」
「笑いとれても同じテンションよ」
ブラックと三谷は最早慣れた光景と見ている。
「てか、あの3人に1人で挑むのは無謀だろ」
「え?そうなの?」
黒野の言葉に三谷は意外そうに呟く。
「なんてったって一位、烏山 吉正。二位、三谷 與。三位 東堂 和也のベストスリートリオだぞ」
「あーなるほどねー」
「それって強いのか?」
三谷、ブラックと反応する。
「え?強くない、だってベストスリーが相手なんだろ?」
黒ヤギは混乱している。
「今のところ日本一のトリオだぞ」
「てか、私がいる!?」
「「今更!?」」
「え、三谷なのか?」
三谷はまじまじと金髪の自分を見る。
「なんか異世界に行かずに正当に強くなった私みたいな感じね」
「まぁ、お前は異世界で生き残るために火力を求めた脳筋だからな」
「うるさいなぁ、おかげでまだコントロールは甘いですよだ!」
三谷は恥ずかしそうにそう言ってすぐに真面目な顔になる。
「となると早めにあだ名決めないと」
「なんでだ?」
「黒ヤギが絡むと碌な名前にならない多分、黒ミツと金ミツとか付ける!」
「うわ付けてそう」
「とりあえず異世界で呼ばれた『雷鎚(イズチ)』で行こう!いいね?」
「お、おう」
2人のテンションについていけないこの世界組である黒野と銀ヤギはあまりの必死さに空気に徹していたという。
そうしているうちに…
「準備OK!」
黒ヤギがなんかポーズを決めながらサムズアップをする。
審判は若干引きながら宣言する。
「試合開始!」
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