修行の道場 土佐国 24〜39番札所
第11話「高知県・極楽浄土」
バスは甲浦に着き高知県に入った。
バスは乗り換えとなり、海の駅東洋町からの出発になるが、出発まで1時間ほどあるので海の駅のレストランに入った。
店のメニューの他に、解凍したてのマグロのサクを刺し身に切ってくれるというので、それを頼み、ご飯とみそ汁も頼んだ。
「なぁ、死神、神仙道っていうのは、いったいなんなんだ?」
「あ〜〜っ、それか。実は、あまりふれられたくない部分なんだな〜」
「どうして? 一番肝腎な部分じゃないのか?」
「お遍路をして、お前もうすうす感じているんじゃないか?」
「何を?」
「お大師様は仏様で仏教だ。神様は神道なんだよ。本来は神道で神仙道を管理すれば分かりやすいのだが、なぜか仏教でやることになっている。それでややこしい」
「そういうのは、決まっているのか? お前だって死神じゃないか」
「あ〜っ、それな。それも痛い所だ。仏と神が混じっている部分があるんだ。おまえに
「わからん!」
「もともと日本は神道で神様の国なんだよ。そこに仏様がやってきた。しかし、神様も仏様も争うことをせず融合したんだな」
「それでわかりずらいのか、俺は神様と仏様は同じものだと思っていた」
「おまたせしました」
マグロのお刺身がきた。
死神の目の色が変わった。
「なあ、わしは腹が減っている。マグロをくれれば、少しなら、神様と仏様の話しをしてやってもいいぞ」
バッグの中に入っているシャム猫が両手を上げ青い瞳で見つめている。
タケゾウは、マグロの刺し身を半分取り皿に入れると、死神はバッグから体を乗りだして食べた。
「シャム猫に入っているから、魚や肉は食いたくなるんだ」
子猫なので少し食べると満腹になった。
「仏様は大日如来様を頂点に、
「けっこう複雑だな」
「そうだろう、仏だけでも全部を知っている者は、そうはいない。さらに、神となったら、
「その辺は、わからないが、仙人は本当にいるのか?」
「仙人は自称が多いが、仙界で修行した者はいる。ただし、仙界は次元が変わるので、人間界にもどると仙界でのことは忘れる」
「複雑なんだな……」
「仙道というのは、人間界で昔からあるんだ。中国、韓国には、今もあるし、歴史的にも修行した者は、いっぱいいる」
「仙道と仙人は違うのか?」
「そこもあいまいな部分なんだ。例えば武士道と言う幕府に雇われて教育された侍はいっぱいいたし、単独の侍もいた。仙道も国や道教などで教育され仙術を学ぶ者達もいた。仙人と言う単独で暮らす者もいる」
「さっぱりわからない」
「マグロをもっとくれたら、もっと話てやってもいいぞ……」
シャム猫の目つきが変わっている。よほどマグロが食べたいのだ。
タケゾウは自分のマグロを見て5切れあるので3切れ死神にあげた。
「大日如来様は、よく姿形をかえる。さまざまな仏の姿になり人々を救い導く。その人の信じている神の姿になったり、人の姿になって助言を言ったり、試練さえあたえる」
「俺のおふくろが、『人からひどい仕打ちや暴言を言われたら、その人は仏様の化身で導いてくださっているのかもしれない』ってよく言うんだけど、あれは、本当なのか?」
「それは、本当かもしれないが、たいがいは違うだろうな……大日如来様は言葉は刃物にもなるから、よくよく考えて使わなければならないと言っておられる」
「あ〜、やっぱり」
「薬師如来様は魔物を倒す強い力と人々を癒やす導引の知恵を持つ者を探しておられる。その者には特別な力を与え世の中を守ってほしいと願われているのだ。神仙道とは薬師如来様から力を授かった者達のことだ。日本中に何人もいる」
「神仙道になると何かいいことがあるのか?」
「薬師如来様から力をもらい魔物を倒すことができるようになる。そして、無事任務が終わり臨終を迎えれば、阿弥陀如来様がお迎えにきて極楽浄土へ導いてくださる」
「極楽浄土か、悪くないな。魔物に倒されても行けるのかな?」
「任務中に亡くなった場合でも極楽浄土にいける。ただし、神仙道になれればだけどな、なれなければ消えるだけだぞ」
「それは、ぜひとも神仙道にならなければな! 極楽浄土か! 考えもしなかった」
バスは海の駅東洋町を出て室戸世界ジオパークセンターに到着。そこからバスを乗り換え大使像前に到着である。
📜📜📜神仙道ワンポイント。
お大師様の言葉に、
「一言、
たった一言で人生を狂わせる。
たった一言でも、慎みを欠けば、永遠に悔やむことになる。
という意味です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます