第4話
徳間の通っている高校は、朝読書の時間から始まる。
中学校で行われている朝読書と同じような理由で、自らの勉強習慣がない生徒でも文字に触れる時間や机に向かう時間を作ることによって脳を活性化させる目的のようだ。
徳間は朝読書の時間が少し嫌いだった。
高校に入学した徳間は中学校までの彼女とは変わり、すっかり勉強にはまっていた。
元々彼女はヲタク気質な所があったが、勉強への依存度は少し異常であった。
勉強にドハマりしている彼女は四六時中小説や漫画本以外の参考書などを読んでいて、何かの知識を常に入れ続けていた。
なので、朝読書の時間も惜しかった。
本当は朝読書には好ましくないが、徳間は『馬鹿でも分かる心理学入門』を読んでいた。
勉強関連の本を読むのは基本的に禁止されていたが、担任の宇田川は見逃していた。
「せんせー。徳間さんが小説読んでませーん。」
「静かにしなさい。」
そんなやり取りも頻繁に起こる。
第一、誰かが徳間について告げ口をしようと、余程のことが無い限り教員は動かないのであるが。
だから、結局うるさいと怒られるのは告げ口した方になるのである。
朝読書が終わると担任からの連絡事項が伝えられる。
痴漢や変質者の情報がほとんどである。
たまに授業の変更などの話があるので、話を聞いておかないと大変なことになる時がある。
今日は特別な話はなかったので、教室中が騒々しくなることはなく無事にホームルームを終えた。
朝のホームルームが終了すると大体十分程の休憩を経てから最初の授業が始まる。
徳間は先日終わったばかりの前回の試験で全科目で一番だったので、その後もう少し難易度の高い問題で試験をやり直された。
やり直し試験の結果、同等の試験結果が出たので特別扱いになった。
とは言え、一般的な普通科の高校なので授業に出た証明が必要になるので、授業に出席はしてもらうが参加はしなくて良いと言うことになった。
徳間は一応、現在行われている授業と同じ科目を勉強すると言うことにした。
「徳間、今そこやっているのか。」
一限は英語を担当する担任の宇田川先生の授業であった。
他の生徒が出題された教科書の問題を解いている時、先生が暇になったので徳間のノートを覗きに来たのだ。
「はい、まだつまづいているところはないです。」
「お、いいね。分からなくなったら質問しても大丈夫だぞ。」
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