第31話 外猫



 外猫のあとを追いかけて行くと、路地に見慣れない西洋扉があった。


 興味本位でドアノブを回してみると、扉が淡く光って開いた。


 目の前に広がるのは、市場。


 香水や化粧品、アクセサリー、発光しているいる石。


 食器類や小物、杖、靴、花屋・・・



 どうしてこんな場所につながっているのかしら、と踏み入ってみる。


 発光している石は、魔法石だと言う。


 いくらするのか聞くと、小粒なかけらで約千円。


 何に使うのか聞くと、魔法を知らないなら、と、御守りをすすめられた。


 そちらのほうは、800円。



 手持ちは今特にないから、これを買って帰ろう、と思った。


 すると外猫が奥に進んでいく。


 あわてて追いかけると、とある人物の足にすりよっている外猫を発見。



「ん?」


「あれ??」



 対面したのは密かに憧れを抱いている美青年。


 外猫の話になり、ちょくちょく君を見かけてはすれ違っていたと言われた。



「わたし、あなたをお慕いしています・・・あなたのこと、何も知らないのに」


「そうだなぁ。だったら、今から一緒にお茶なんてどうかな?」


「いきなり距離が縮まるのいやなので、今日はもう帰ります」


「そうなの・・・連絡先、教えておくね。僕、あやしいひとじゃないからね?」



 帰宅して両親に相談すると、連絡先を確認して唖然としていた。


「《俺がお前のこと、「いいこ」だと思ったから、出会わせてみたんだ》」


 魔法領国の王子のひとりと知り合いになったんだよ、と、外猫に言われた。

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