第13話 証拠

遥斗と美菜が一つになっていたのだ。監視カメラの画質は決していいものではなかったが、彼女の漏れ出る声とピストンのような音が虚しく響いているのをみてそれが現実だと受け止めさせられた。

でもそんな状態でも、俺は自分の体が興奮していることに気付かされた。

でも、でも!それ以上の怒りが俺を遥斗の家まで連れて行った。

彼の家に中庭から侵入し、ギシギシとなるベッドの部屋に向かった。

「美菜、この動画なんだよ」

「俺とあいつ、どっちがいいんだよ」

ああ、頼むから言わないでくれ、その答えを。

「実風じゃなかったら、どうなの」

美菜の顔は恍惚に満ちていた。

何も言えなかった。そうだ、遥斗が好きな可能性だってあるのに。でももしそうなら…自分の体が否応なしに反応する

「わかんない、でも、そうだったらごめん。おれ付き合ったのにほとんど何もせずじまいで。確かに欲求不満を解消できなくなっちまうかも知れないもんな。ごめん。しかもおれ、お前を試すように春香と手を繋いでみたり、、、でも、俺、遥斗といっしょにいる美菜がきらいじゃなくて、」

「つまり興奮しちゃってるってけえ」

いつの間に入ってきた春香が言う。

「春香、いつの間に」

「遥斗っちもひどいよねえ、彼氏持ちの女の子と遊んじゃうなんて」

春香以外の全員が黙る。もうだれも、何も言えなかった。

「みんな寝取られ欲つよすぎなんだよねえ、だから今回の作戦がうまく行ったっていうのもあるんだけどお」

「まあ私が好きだったのは____」

それからの記憶は曖昧だ。結局仲は取り持てたのは幸いかもしれない。春香と遥斗はなんだかんだ相性が良く付き合うことになったっぽいな。


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