第13話 証拠
遥斗と美菜が一つになっていたのだ。監視カメラの画質は決していいものではなかったが、彼女の漏れ出る声とピストンのような音が虚しく響いているのをみてそれが現実だと受け止めさせられた。
でもそんな状態でも、俺は自分の体が興奮していることに気付かされた。
でも、でも!それ以上の怒りが俺を遥斗の家まで連れて行った。
彼の家に中庭から侵入し、ギシギシとなるベッドの部屋に向かった。
「美菜、この動画なんだよ」
「俺とあいつ、どっちがいいんだよ」
ああ、頼むから言わないでくれ、その答えを。
「実風じゃなかったら、どうなの」
美菜の顔は恍惚に満ちていた。
何も言えなかった。そうだ、遥斗が好きな可能性だってあるのに。でももしそうなら…自分の体が否応なしに反応する
「わかんない、でも、そうだったらごめん。おれ付き合ったのにほとんど何もせずじまいで。確かに欲求不満を解消できなくなっちまうかも知れないもんな。ごめん。しかもおれ、お前を試すように春香と手を繋いでみたり、、、でも、俺、遥斗といっしょにいる美菜がきらいじゃなくて、」
「つまり興奮しちゃってるってけえ」
いつの間に入ってきた春香が言う。
「春香、いつの間に」
「遥斗っちもひどいよねえ、彼氏持ちの女の子と遊んじゃうなんて」
春香以外の全員が黙る。もうだれも、何も言えなかった。
「みんな寝取られ欲つよすぎなんだよねえ、だから今回の作戦がうまく行ったっていうのもあるんだけどお」
「まあ私が好きだったのは____」
それからの記憶は曖昧だ。結局仲は取り持てたのは幸いかもしれない。春香と遥斗はなんだかんだ相性が良く付き合うことになったっぽいな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます