File No.1 7月24日①


「ではホームルームを始めます。まず、始めに本日午前8時頃西地区の立花の田んぼで動物の臓器1が見つかりました」

「「え?どうゆうこと」」

「「臓器?なにそれキモ」」

「「立花って私のうちの近くだ」」

「はい!静かに!みなさん明日から夏休みですが…もう高校2年生!遊びすぎないように!以上!!」

「起立!気をつけ!さようなら!」


Y県Z市。山に囲まれた比較的田舎の町。今時珍しいレトロな町だ。ここは若松高校。全校生徒は300人ほどの小さな高校だ。クラスは2クラス。私、小林 リンは1組に所属している。

「うへぇぇ〜夏休みだぁ〜」

「なにおじさんみたいな声出してるわけ?」

「あ、ルイチャン☺️…おっぱい大きいね❤️」

「死ねば」

「わぁ辛辣」

このとても辛辣だけど可愛いのは阿部 ルイ。同じ1組で私の後ろの席だ。ツンデレでおっぱいが大きい。あと可愛い。

「わ、リンおじさんだ〜!キャハ!ねね、お金ちょうだい❤️」

「今金欠なう」

「うわ、貧乏おじさんじゃーん」

この喋り方からしてお子ちゃまなのは石田 ミオ。身長が小さくて可愛い。この子も1組。


「リーーン!!」

「グェ!!…この匂いはミサトだな」

「せーかい!今日みんなでどっか行かない?夏休み記念にさ」

「ありかも。ルイは?」

「最近行ってなかったもんね、私は賛成」

「ミオもさんせー!じゃあサクちゃんにも聞いてみる!」

「もういますよー」

「わ!サクラ〜いるなら言ってよ!」

「みんな意外と気づかないからついー」

この子は、平井 サクラ。唯一2組になった可哀想な子だ。ボーイッシュでカッコいいけど可愛いんだなーこの子は。ちなみに、私とサクラは陸上部。ルイは水泳部。ミオはお菓子研究会(自称)。ミサトが華道部だ。

「じゃあ、さっきの話も聞いてた?」

「うん、部活終わったら行けるよ」

「じゃあ決まり!みんなで遊ぼーー!!」

「「おぉーー!!」」

「じゃあ、みんなあとで」

「とりあえず16時くらいに若松駅に集合で!」


「リンは今日メニューなにすんの?」

「今日はー、400m×3×3」

「うえ。やば」

「そんなにやばい?」

「控えめに言って化け物」

「🥺」


若松高校陸上部。なぜかこんな田舎町なのに設備はしっかりしている。そして、毎年5人ほどインターハイに出場する少し変な部活だ。まあ今日は各自メニューを考えて実践なのでこのくらい高強度の方がいいだろう。午前中に部活が終わるし、お昼ご飯も待ってるし


「てかさっきのやつ怖くない?」

「ああ、猫の?」

「そうそう!立花ってリンの家の近くだよね?怖くないの?」

「いや、そんなに。どうせカラスかなんかでしょ」

「つよー」

「てか、今日何時からだっけ?」

「え、10時くらいじゃなくて?」

「…ねぇ、あと2分だけど!?ってサクラ!待て!私をおいてくな!」


「「お疲れ様でしたー!」」


「リン!帰ろ!」

「いいよーってあれぇサクラ。おっぱいちょっとおっきくなったんじゃない?」

「そうでしょ?毎日の育乳マッサージは欠かさないようにしてるんだから…っていやぁ!!触るなリン!」

「この成長途中の汗くさ谷間!おほぉ、たまらん」

「埋もれるな〜!この変態エロガキ!」


サクラとは家が逆方向なので帰り道は一人だ。け、決してボッチってわけではないぞ!…絶対に!

それより……暑くね??なにこれ、サウナじゃん

死んじゃうよマジで!早くクーラーの効いた部屋に行きたい。セミの声がやかましいよ。……帰り道が長い。500kmくらいある気がしてきた……。おかしいよこの国…暑い……


「…た、ただい、ま…」

「おかえり〜リン!ってこら!玄関で溶けるんじゃない〜!」

「…お風呂まで連れてって……」

「自分で行きなさい!」

「うぅぅぅ〜おかあさぁん〜」

「ほら、どいたどいた!」

「いでぇ!蹴らないで〜!あぁ〜掃除機でケツを吸わないで〜」


「あ゛あ゛あ゛あ゛〜ずずじいぃぃ〜」

「ほらリン〜風邪引くわよ〜」


「そういえば、聞いた〜?立花のやつー」

「あぁモツ〜?」

「臓器ね。あんたも気をつけなさいよ。夏は変な人出てくるんだから」

「ういぃぃ」

「はぁ、これじゃろくに彼氏もできないわね」

「む!失礼な!学校にイケメンがいないだけですよーだ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「私、人は殺してない!!」 蘭 藍  (あららぎ あい) @araragi0409

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画