第12話 この一言は仕事を続ける原動力の一つ!
本日も遅い時間での御来店。
仕事が忙しいんだとは思うが女性が此の時間まで仕事とは…、深夜だぞ時間から考えても危険ではないのか?、就業規則や法規的にも問題無いのだろうか?。
火曜、木曜、土曜と日曜のシフト、其の内お顔を拝見しないのは日曜日、要するに仕事帰りに立ち寄られ何時も疲れたお顔、購入される物も粗決まってる。
購入されるのは何時も質素な物、もっと美味しそうな弁当もサンドイッチも在るのだが何時も金額の張らない物、購入される物の中で単品で一番高価な物が定期的に購入されてるファッション雑誌、仕事されてる場所が場所だけに必要なんだろうな…。
「これお願いしますね!」
「いらっしゃいませ、何時も遅くまでご苦労様です!」
レジ前に立たれた御客様、本当に遅く迄ご苦労様と思って仕舞う綺麗なお姉さん。
「お預かり致します!」
そうお伝えしてカゴをお預かりする、えっカゴ?、何時もは両の手で持てる位なのだが…。
思って居たのを見透かされた様に声を掛けられる、今夜は一寸ゆっくり店内を廻られ、この忙しい時間の最期の御客様と為って居る。
「ホントはもう少しおつまみ欲しいけど明日も仕事だからね…」
「そうですよね…、仕事に響きますよね?」
今日は木曜日のシフト、殆どの企業は週休二日制を未だ採用して居らず土曜は休みでは無い。
「そうなのよね…」
「日曜まであと二日頑張りましょう!」
何時もの疲れたお顔と違い今日は嬉しそうに笑ってる、商品を確認し読み上げ金額を打ち込む、バーコードじゃ無く一品ずつ確認しキー打つ、ファッション雑誌に食事用のサンドイッチ、スナック菓子に乾き物、小瓶に入ったお洒落なアルコール二本俺が此処に立ってからはアルコールを買われるのは初めてだな…、平日にアルコール?、此の嬉しそうなお顔?、あゝそう言う事か良い出会いが有ったのか!。
「お待たせしました、〇〇円に為ります!」
「ハイ、此れでお願いしますね」
お札をお預かり御釣りを渡す、そう差し出されるお金も必ず手渡しで渡される。
「お釣りとレシートです!」
必ず手で受け取られ、お礼も申される。
何時もと違い本当に良い御顔をされてる、お客様の良い御顔は見ている此方も元気を頂ける、良かったですね笑顔になれて…。
「ありがとう!」
この一言は仕事を続ける原動力の一つ!
「又お越しください!」
次のシフト、土曜日の夜は入ったばかりの新人さんと二人体制…。
「いらっしゃいませ!」
「こんばんは!」
今夜も来店され何時も以上にニコニコされてる、店内で何時もと同じ物を購入され帰られる時にお声を頂いた。
「ありがとう、頑張ってね!」
明日はきっと良い事が有るんですね。
「有難う御座いました、お気を付けてお帰り下さい!」
ニコニコ笑ってドアを出て行かれた、その遣り取り聞いてポカンとしてる新人さんが居る、この調子じゃ俺がバイト頑張らなきゃ!。
「いらっしゃいませ!」
次の週の土曜日バイトのシフトに入ったのだが…。
「今日は来ませんね?」
「何の事言ってんだ?」
「何時ものお姉さん!」
「手を動かせ!、お客様待たせるんじゃない!」
俺の前も、奴の前にも御客様が並んでる。
今は土曜の夜の一番忙しい時間帯、明日は休みのお客様は購入される商品数も多くなる、打ち込み数も増え時間も係る、そうレジ前にお客様が並ばれる…。
土曜の夜は客数毎の単価も上がる、そして御客様が来店されない時間が存在し、その時は店内に一人だけに為って仕舞う。
そう土曜の深夜は何時もよりレジに現金が入って居る、しかも店内には店員が唯一人とその時をコンビニ強盗に狙われた…、以降は安全対策と予防の為に土曜日の夜だけは二名体制、横に居るのはチョット惚けた新人さん、先週から入ったばかりで俺とシフトが被るのは本来は土曜だけだが、仕事覚えて貰うのに今週は同じシフトに入って貰ってる、まだ高校生の彼は学校帰りに出勤してる。
此処の就業時間は23時から08時迄、アレ?と思われた?、高校生で深夜?、学校帰りで23時?、然も朝8時迄?、学校は間に合うの?、抑々高校生が深夜仕事は駄目だろう!。
でも駄目じゃ無いんですね此れ、この横に居る惚けた新人さんは間違い無く高校生ですよ、夜学と言う言葉が付きますが…、授業は22時迄だから其の後此処にバイトに来る、元々勤労学生さんが通う学校だから就業に対して規制は無いし、18歳以上だから深夜勤務にもお店側に規制は掛からないと言う訳です。
「先輩今日は来ませんでしたね?」
最後の御客様を送り出しホッとできる時間、此の後一時間程は先ず御客様はいらっしゃらない、偶に車で通りがかった御客様位、駅側から来ると此の先6キロ位はコンビニが無い幹線道路なんだが逆側から来るとやっと出てきたコンビニ、深夜帯は丁度此の時間だけ車の通りも疎になる。
「何の事だ?」
「またまた惚けて」
「何時も来るお客さん殆どいらっしゃっただろ?」
「忘れてませんか?」
「何言ってんだ?」
「忘れてますよ、お姉さん!」
「あゝ、そう言えばいなかったな?」
「如何したんでしょうね?」
「バ~カ!、土曜の夜だぞ彼氏の処に往ってるに決まってんだろ?」
「馬鹿言わないで下さい!、あんな清楚な人がそんな事!」
「バカはお前だ!」
「嫌在り得ません!」
「しつこい!」
何か横で言って居るが聞き流した、毎日疲れた顔が今週はずっと微笑んでた。
東へ西へ、そして南へと日課の様にバイク屋巡りを続けていたが未だ成果はない…。
此の日バイト明けの日曜日に北へと向う、此の方角にバイク屋は数軒しか無く他の方向に比べ足を運ぶ機会は少なく、偶々向った其の日に目にしたライバルの最大手コンビニに停まる紅い軽自動車、その車に似つかわしく無いスーツ姿で壮年の男性がエンジンルームを覗き込む姿が有る。
それを横目に更に北上し西瓜畑が拡がる場所で引き返す、随分時間は
俺が其処で出会ったのは何事にも真っ直ぐに進んで行く女性…。
(此処で『コンビニで手に入るんですか!、コレ?』に繋がります。)
m(_ _)m
良き出会いが在り俺は笑えていたと思う…、お姉さんもやっと笑えて良かったですね…。
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