第6話 地球人のスバル
『スバル。俺様にまた指図をするのか?』
まあ、いい。あの涙を分析するとするか。
俺様は野球球場の空間内に電磁波を
飛ばす。
試合?戦いが終わった球場は、スバルと同じ
高校生か?
さっきまでうるさかったが。
静かだ。
負けたスバルのチームメイトはみんな
泣いている。
悔しくて泣いているんだろう。
理解ができる。
しかし勝ったチームも泣いている。
この涙の訳がわからない。
応援していた高校生も同じだ。
この地球は俺様の判断で全てが変わる。
負けた奴の。スバルの負けた試合を覆すことも
できる。
黒マントの俺様が見えた時点で奴には価値がある。
たとえこの地球が何らかの原因で消滅したとしても。奴だけは救おう。
『大きなお世話だ。』
『おい、勝手に俺様ゼノン様の脳内に侵入するな。スバル。』
俺様はグランドでみんなと並んで
泣いているスバルの姿をとらえる。
『スバル。お前は何者だ。
他の地球人達と違う。
お前は、地球外知的生命体なのか?』
『いや、ただの地球人だ。
黒マントのゼノン。
お前は地球人を舐めすぎだ。
俺クラスの地球人は意外といるぞ。
全宇宙を支配コントロールするブラックホールの星人。
お前は地球人のことを知らなさすぎる。
前任者からの引き継ぎはなかったのか。』
確かに前任者ユングから月のUFO駐機場で
聞いた。
‘地球人の脳内思考は無限だ。’
‘我々、無限のブラックホールに似ていると。’
ただし地球人の身体能力数値は低い。
低すぎる。
だからこそ地球人達は地球から離れることが
できない。
大気圏外に出た途端。消滅する。
そういえば、月面に鉄のロケットで
地球人が着陸したことがあった。
赴任前に予備知識として
宇宙開発部のデーターで見た。
そのデーターにはこう記載されていた。
”その時、地球人を見たことがなかった星人たちは興味深々で地球人の月面着陸を見ていた。
防護服。宇宙服を着込んだ地球人を見て。
だめだこれは。
これじゃ、星同士の貿易もできない。
地球人は時間をも操れるない。
空間移動もできない。ダメだこの星は。”
それ以降の記述がなかった。
だからはじめから地球に期待はしていなかった。
ただ俺様が尊敬する漂流人。
タケル最高司令官の故郷が地球だ。
そして目の前の地球人。
このスバル。
『スバル。俺様はお前と暮らすことにした。』
『嫌だ。なんで黒マントゼノン。
お前と暮らさないといけないのか。』
『俺様がそう、決めたからそうする。』
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