10回目

「・・・・」

「ね、ねえ」

「・・・ごめんすこし考え事してた」

「すこし、どころじゃないでしょ、それは!?」

「そうだぜ、顔面蒼白で体も震えてんのに、それは無理があるって」


(どうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすれば・・・・・・)


「・・・」

「那奈?」

「すこし、病院に見てもらったほうがいいかもね」

「そうだな、すこしどころか重点的に見てもらわないと、これは心配になる・・・」

「うん。」


(4回目のときは那奈を無事救えたから着実に進んではいる。まあその代わり俺が死んだんだが・・・それに那奈を救ったとしても俺も助からないと結局戻ってしまうことも分かったんだ)


「10回目まだまだ、こんなところでへこたれる俺じゃない!!!」

「なんか、あいつ最近様子おかしくね?」

「うん。病院に速く連れて行かないとね」


(那奈と奏斗がひそひそ言い合ってるけど、どうしたんだろう?まあいいかいまはどうでもいい、さて準備を早くしないとって・・・あれ、視界が歪んで・・・」


「おい!!本当にどうしたんだよ!?」

「暁斗・・・泣いてるよ?」

「えっ、泣いてるのか?俺が?」


周りで見ていたクラスメイトのやつらもさっきまでどうしたんだろ程度な感じの視線だっただけだがこっちに来て俺のことを心配する声がたくさん聞こえた


「那奈・・・すこし時間をくれ」

「え?わ、私?いいけど・・・」

「な~るほど、じゃあ、俺たちはお邪魔無視だな、さあってと行くか」

「え?ちょっと?もしかして?」

「ひゅ~ひゅ~」


奏斗はしっかり意図をくんでくれたようで教室からクラスメイト全員を廊下に追い出した


「そ、それでどうしたの?ふ、二人きりになって?」

「いや、突拍子もないことだってわかってるけど聞いてほしいことがあるんだ」

「???」


(これでなんとかいくきはしない・けど・・でも・・・)


「俺って今ループしてるんだよね」

「ど、ドウイウコト?ちょっと、何言ってるかわからないんだけど・・」

「そのままの意味d」


「・・・え?」


ぐちゃぁ


「は?」


(音がした、俺が9回聞いた音、まさか今の時間帯はな時間だったのか・・・、だけど、高等部に重い何かがぶつかったような痛み・・・ただ崩れような出来事これまで一度もなかったよな?そしてそれが俺の頭にぶつかる?)


ああ、この世界はくそったれな世界だ、誰かに弱音を吐くことすらできないなんて

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る