第一章:始まりの火蓋

第一章1 寝起きの仕事はやりたくない

 アメリカ支部LAS本拠地の襲撃という悲劇を負い、LASの拠点を鶴谷の故郷、日本へと拠点を移し。人材を集めるのに必死になったていた。


 そして、その出来事から三年たった日。

「畜生……ヨーロッパへ支部を映すべきだったかもしれない。なんせ……殆ど入ってくれる人がいない!軍職は仕方ない。いま、憲法改正されて、『日本国防軍』と明記されたけども!!それでも、戦争の影響で人数は約一二万人!!!だれだよ!武器商人の影響がまだ弱い日本へ移動しようと言ったのだれだよ!俺だよ!!」


 青年は、人材スカウトが上手くいかずに、やけくそになってしまい。団長室で、自分で言って自分でツッコミするような羽目になってしまった。


 青年が、団長になった経由だが。ほぼ、消去法という。なんともまぁ、一部隊のリーダーの選び方がもはや投げやりな結果だった。


 人材をスカウトをしようにも。元自衛隊の人を、探してスカウトを試みたが。案の定、断られる事が多かった。理由は火を見るより明らかで、戦うことから開放されたのに。また、戦いの現場へと駆り出されるのはごめんだからだ。


 それに、関しては鶴谷も同感であるのでこれに関してはあまり強要できず。採用を諦めるしかなかった。


 ただ青年が戦う理由は

「これ以上、戦わないことが当たり前で幸せに生きてきた人が銃を持たない世界であって欲しい」という。軍人でもない人達が、銃を持って欲しくないという願いのために、歯を食いしばって戦おうとしていた。


 青年は、LASの基地に隊員たちの娯楽施設としてBARが設置されてたため。疲れで酒を浴びるように飲み。その夜は、ベロベロに泥酔し。団長室の業務椅子に背もたれしながら。眠りにつく



 ※※※※※※※※



 夢を見ていた、それはそれは幸せな夢とも言えた。大切な人と世帯を持つという。世間一般的に見れば当たり障りのない幸せな光景かもしれない。


 ただ、彼にとっては何よりも幸せで心地のいい夢見心地だった。しかし、その夢は「起きなさい!」と女性の張り上げる声が響きわたり、彼は机から飛び起きる。


 団長室のカーテンを空け、日差しの明るさで眠気を飛ばさせようとする。黒色スーツの女性は、茶髪でミディアムヘアーで手入れをきちんとしてるからか。髪質はふんわりしてる。黒色のジャケットの中に白のYシャツを袖を通し、動きやすいように黒のレディースパンツを履いて、革質のヒールブーツを足に着用してる。身長は一六五cmはある。鋭くもトパーズのような瞳、月宮 つきみや はるかとい人だ。


 それに比べ本作の主人公である鶴谷 修也つるたに しゅうや

 短髪ではあるが、くせっ毛がすごく。起き上がった時には盛り上がるかのようにボサボサで、つり目の鋭い目つきは、寝起きでさらに醜悪にも近い。身長は一七三cmとライトグレーのワイシャツがシワシワに寄れているのと、黒いズボンのシワができている。長時間、座りながら寝るという。体勢的に腰を悪くする寝方をしていているためか椅子から立ち上がろうとすると、案の定、腰を痛めてしまい机を支えに手を添える。


「いててて……」


「そんな、体勢で寝てるからよ」


「まぁ……そうか。うわぁ、髭がすごい」


「もう、剃ってきな……。書類はどうにかするから」


「あぁ、そうする。」


 鶴谷修也は、洗面所に向かい、鏡で自分の顔を見ると、まぁ寝起きと目の隈もすごく。髭も伸ばしてるところとかも濃くなってて無精髭とかもだんだん伸びきっていた。


「こりゃ、全部剃るか……不潔でしゃーねぇ」


 洗面所で水で洗顔して、近くに置いてある。タオルウォーマーから、蒸しタオルを取り出し。すこし、肌に触れれるくらいに冷ましてから。顔にタオルで覆い、髭をやわらかくさせて。タオルを片付け、シェービングクリームを泡立ててから、顔を塗り。カミソリで頬や顎下や鼻の下を撫でるように剃り、肌を綺麗に仕上げ整えタオルで多い。団長室へと戻る


「ふぅ〜、決まったね。」


「あら、さっぱりしたわね。」


「若返ったろ?」


「えぇ、五年くらい」


「だとしたら、若返りすぎ」


 冗談よ。と笑いながら月宮 遥は言う。まぁ、これはいつもの光景なため。すんなり、鶴谷修也は会話を流す。


「そういえば、採用する子決まったの?」


「あぁ、決めてる。だから、その場所まで」


「へ〜、どこなの?」


「神社まで」


「え?」


 月宮 遥は、鳩に豆鉄砲が喰らったような顔になる。そりゃ、そう。LASは元軍人や警察やパイロットと諜報機関やメカニックとかの人材を採用してるため、いきなり、神社とかの神職の人を採用するっていう。奇想天外な出来事に困惑する。


「そういう、遥は誰を採用するんだ?」


「え?あぁ、そうね。私は元SATっていう子かな」


「なるほどな、いい線だ」


「てか、修也。そのヨレヨレのスーツでで向かうの?」


「あぁ、そうだが?」


「他のにしなさい。ほら、二着目あるんでしょ?それにしな?一応、団長なんだから。」


「大丈夫だと思うんだがな。」


 鶴谷修也が新しいスーツに着替えるため遥は、先にガレージに向かう。団長室のクローゼットから、新しいスーツをハンガーから取り出し。それに新しくスーツに身をこなし。月宮遥の後を追う形で、ガレージに向かう。




 △▼△▼△▼△




 鶴谷修也が、基地のガレージに向かい。愛車のハチロクを点検してるメカニックに出会う。


「赤羽、ハチロクの点検ありがとさん。」


「あぁ、ええよええよ。この車は、なんやかんや趣味のひとつだし。構わんよ、ただまぁ…大事に扱ってな。」


「旧車ほど、ガタツキ悪くはねぇんだし。まぁ、大事にはするよ。」


「ガタツキ悪くなくても。大事にしろ。」


 へいへいと適当な返事をする。

 ハチロクを親切にメンテナンスしてる、身長一七四センチくらいで暗めの緑色のツナギを着ていて、エンジンとかをいじったりしてたからか、汗ばんで上だけ脱ぎ、着崩し黒の半袖のシャツを袖に通してた。頬や手に黒いススだらけになって、ストレートパーマな頭髪にもススを被っている。トレードマークな、黒のアルミ製フレームの赤のサングラス。赤羽 隼人あかばね はやとという男とはこの人である。


 ガレージの中でガシャン!ガシャン!と機械の騒音が響きわたる。機械音が気になり、鶴谷修也は目線をそちらに向ける。


 高さ二メートル半くらいの大きさの人型で、素材のまんまの色で塗装は施されてない。胴体部分がズッシリとしてて、頭部とくっついてる見た目の型式。


 胴体部分が、コクピットのため。胴体部分のハッチが開き、そこから。金髪で後ろのポニーテールを結んで団子のようにしていて。コクピット内が着ぐるみのように熱気が篭もるからか、汗を滝のように流れていて、黒のレオタードが汗で染みて、蒸れている。もはや、雰囲気が妖艶に感じてしまう美女のイリーナ・ペドロヴィッチ。


 しかし、本人は大真面目にテストパイロットとしてパワードスーツを動かしていた為。汗で蒸れ蒸れなレオタードと汗で髪も濡れている姿が妖艶を感じてしまうのは本人の無意識からであるため。ただ、そう感じてしまう。

 と言うより、朝で見るには刺激が強いからだ。


「よぉ、イリーナ。パワードスーツの調子は?」


「あぁ、酷いもんだな。ここまで酷いとは思わなかった。しかも、ここまで乗り心地が悪いとはな。暑くて死ぬかと思ったぞ。Чёртвозьми(ちくしょう)」


「どこを直す?」


「まず、死角が出来やすい。後ろを取られると困難だぞ。あと、エアコンとかの空調設備がいる。暑くて叶わん!。しかも、この中で熱中症を起こすかと思ったわ!」


「なるほど、改良がいるな」


「あと、前だけ守るからいいんだろけども。手元見えてるぞ。」


「そこもね。任せんしゃい」


 パワードスーツのコクピットから、イリーナ・ペドロヴィッチはズボンを脱ぐ容量で降り長く逞しい美脚が顕になり。団子にしてる後ろ髪を下ろし、グローブを外してる時に、鶴谷 修也がイリーナ・ペドロヴィッチの姿が汗とパイロットスーツ代わりのレオタードで色気増し増しにされていたからか。


 鶴谷修也は思わず、手元で顔を覆うように照れるのを隠す。イリーナ・ペドロヴィッチは、その様子が気になる


「ん?どうしたんだ、団長?」


「エッッッッッロ」(なんでもない)


「はぁ?」


「あぁ!!いや、これは」


 思わず、鶴谷修也は本音と建前のセリフがごっちゃになってしまい。慌てると、赤羽はからかうように、割って入る。


「わりぃわりぃ、団長はチェリーだから。気にすんな」


「そうなのか」


「チェリー言うな!あと、チェリーちゃうわ!!」


 それを、発車前に聞いてた。月宮 遥が、赤羽隼人のチェリー発言で思わず、笑うのを堪えてたが。本人が全力で否定してるのに。思わず、堪えるのに限界になり。プフっと吹き出しかける。


「へ〜チェリーなんだ〜へ〜ぷぷぷ〜」


「おい、なに笑ってんだ。」


「きゃ〜、イリーナさんにはセクハラの私にはパワハラされる〜助けてスタッフ〜スタッフ〜」


「あの、アマ…」


 月宮 遥は、きゃ〜とふざけてからかいながら。ルノー・メガーヌとフランス名車を発進させ、持ち場へ颯爽に向かう。鶴谷 修也は、いじられたことにイラつきを隠せない状態だった。これにより、鶴谷修也にとって月宮 遥への好感は更に下がったのだった。


「あいつ、やっぱ苦手!」


「まぁまぁ、落ち着けよ。からかってごめんよ。」


 赤羽隼人が発端だったのか、まあまあと落ち着かせ。鶴谷 修也がチェリーだってことの話をそらそうとしたが。イリーナがトドメに「チェリーでもいいんじゃないか?まぁ、こじらせないようにすれば」と無意識に鶴谷 修也にトドメを刺す。


 実際、鶴谷 修也は二八年の人生で一度もモテたこともない。目つき悪いだけならまだともかく、そもそも愛想も悪く、朴念仁で人相もチンピラよりの悪さで女ウケが悪く。異性に相手もされず、過ごしていたため。モテることなく春もなかった、それを思い出す鶴谷は涙出そうだったが、堪える。

いや、他にも原因はあるとは思うけどね。


 そこで、赤羽 隼人は割って入るように、聞く


「そういや、団長。誰を採用するんだ?」


「そうそう、気になる」


「ああ、この2人だよ」


 写真を見せる。一人目は、丸メガネをつけてて、白髪のミディアムパーマで狐目の橙色の瞳で涼しげな水色の和服を身にまとった好青年。


 二人目は、金色と黒色のオッドアイ、暗めの紺色のウルフカットで黒色の革ジャケット。服越しからでも分かる筋肉質な身体の青年


 二人とも見た目では齢二十代半ばくらいの見た目という若手でもあった。赤羽とイリーナは、いい人材を当てたなと感じた。

 しかし、赤羽は二人とも同じ日本人にしては特殊な感じがした。見た目もそうだが、服装とかも含めてそう思い。疑問を感じた


「団長、この新人たちの職業は?」


「一人目は、神社の神主ともう一人はその神社に住む子」


 二人は口揃え「は?」となった。とはいえ、流石の二人でも、なにか理由があるのかと思い、聞き出すと。鶴谷修也は、去年の世界中で揺れた震度五強でマグニチュード数九.二の大地震があったことを話した。

 根拠としては、アルマスが宇宙開発の支援でブラックホールの研究も行っていたことでの噂からだった。

 しかし、情報事態の真偽が眉唾なため。二人は、思わず。鶴谷 修也が、うまく人材集めも行かないストレスでとうとう頭がおかしくなったのかと思い。赤羽は、苦い表情になり。イリーナは、手で額を覆う。


「修也、友人としてアドバイスする。あれは、偶然でかい地震だ。アルマスは宇宙開発を考えてるが、ブラックホールに関してはきっとただのデマだ。今日は、休んでてくれ。あとは、遥やカナタさん達に任せてくれ。」


「あぁ、昨夜。私が振舞った、バラライカを沢山飲ませたから。脳が縮んだんだろИзвини(すまない)」


「おい、俺は至って正常だ!!情報源はある。」


「ほぉ、どっからだ?団長〜」


「"AGNS(アグネス)だ。」


【AGNS】とは、ASSIST.Gather.Network.service。の略であり。世界情勢,軍事,政治,金融,企業,etcをインターネットで情報伝達するサイトであり。情報の内容はきな臭ささを感じるがその代わり。デマの噂も無いってのが【AGNS】の強みである。


「Я понимаю(なるほど)、でも信じれるのか?それを」


「信じてみる価値はある。」


「はいはい、アーダンチョウタマノオオセノママニキキマスヨー」


「その、ふざけた発言一生出させないようにしたろうか?」


「ワーパワハラダーコワイコワイ」


 鶴谷は、眉唾ではあるが。情報を信じるしかなかった。もう、人材集めするためなら。嘘でも信じようと言うくらいに追い込まれていたから。


 長官である、ローガン・ブレットを失い。本来団長の座に着くべきだった先輩方も失ってしまった。そこから来る責任感によるプレッシャーからたった。


「とりあえず、行っていく。」


「あぁ、行ってこい。無駄骨じゃないだけ祈っておく」


「ありがとよ。赤羽」


 鶴谷 修也はハチロクを乗り込み。目的地である。神社へと向かうため、車を発進させる。


 鶴谷 修也は知らない。二人が待ってる神社での出会いがきっかけで、LASは触れてはいけない出来事を土足で踏み込んでしまい波乱万丈の出来事に巻き込まれる事になる。


 しかし、その出会いが項か不幸か世界大戦で荒れた世界をひっくり返す事にもなる。それは、鶴谷 修也を含めるLASのメンバーも分からない。


 そして、それはまた先の話なのである。

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