第一章2 運命なる対面

 石造りの階段が二十三段を上ると赤い鳥居をググれば森林に囲われた木々の中に、狐の石像が二つ対になるように置かれてる。古く顔とかにも風化してヒビも入っているが、コケとかは生えてないのが手入れがされている、神社の広さは約二十二坪くらいでやや平均より狭めで、赤い柱と白い壁で屋根は、銅板葺きや檜皮葺きが用いられてる。


 石畳を綺麗に、竹箒で掃き掃除をしている。丸メガネをつけてて、白髪のミディアムパーマで狐目の橙色の瞳の白衣と水色の袴を身にまとっている。青年:片倉 啓介かたくら けいすけが神社の手入れを施していた。


 片倉啓介が神社の掃除してくれた御礼で労いに来た、少女が青年の元へ水筒と弁当が入ったトートバッグを抱えて向かう。


「啓介、お疲れ様なのじゃ。」


「あぁ、いいんだよ。おれは、やれることがこんくらいしかないのでな。」


「なぁに、謙遜なの事を。掃除やら手入れやら。こちらは助かっておるんじゃぞ?ホレ、一旦休憩をしなさんな」


「ありがとう。」


 彼女は、橙色と白色のツートンカラーのふんわりとしたロングヘアで、まろ眉の童顔な優しめの凛とした目付きの巫女服を身にまとった。少女は稲荷いなりという。


 日陰に向かい、レジャーシートを地面に敷き。トートバッグから、水筒を取り出し。蓋がコップの役割となっているため。蓋にお茶を注ぎ、片倉に渡し。片倉は渡されたお茶を飲む。


 階段を登ってきようとする人がこちらへくる。その人は、猟友会の黄色とオレンジの、帽子やベストを身にまとい。ライフルを包んでる袋を肩に掛けている。金色と黒色のオッドアイ、暗めの紺色のウルフカットの筋肉質な青年が、片倉と稲荷の所へ向かう。稲荷は、手を振り。呼び出す


「あぁ、健人も来おったか。こっちじゃ」


「ちょうど、害獣駆除終わったんでな。啓介は、休憩か?」


「あぁ、そうだ。何かいたんか?」


「まぁな、ちょうどイノシシが畑を荒らしてるって聞いて、近くの山をみたら。案の定、体調一二〇センチくらいのイノシシがいたわけだ。」


「なるほどね。」


「というわけで、ご苦労さま。犬神も休憩するか?」


「二人がいるんだ。しないわけが無い」


 猟師の青年、犬神 健人いぬがみ けんと。齢二五位と猟師の平均年齢的に若かった。犬神は、片倉と稲荷の隣りに座ろうとする時に、階段から誰かが登ってくる。稲荷は、参拝客かな?と思い。立ち上がり、草履を履き直す。


 階段から上り来たのは、黒いスーツを身にまとっていて。黒のコートとサングラスを掛けている。いかにも怪しそうな人が、神社に来た。思わず、犬神と片倉は警戒する。不審者であったら、追い出そうと考える。その不審人物が、目線をキョロキョロしていて。稲荷がその男の対応をする。


「どうも、参拝客でいらっしゃいますか?」


「ええまぁ、そうですが。一応、人探しをしてましてね。」


 男は、スーツの懐から二人の写真を稲荷に見せる。写真の2人は、正しく。片倉 啓介と犬神 健人だった。




 △▼△▼△▼△




 基地から、車で約五時間という。長時間を走らせて。目的地である、神社へとたどり着く。駐車場らしき場所がない位の田舎にあるような神社だったのでどこかで停車せざる追えないため。道の端で、車を停車させて、降りる


「いやぁ、着いたはいいが。意外と田舎にあるんだな。空気が美味い。」


 階段近く神社の看板に【稲荷 神社】と書いてあった。鶴谷の探してる2人がここにいるって理解し、階段を登り。


「まさか、こんな田舎にご立派な神社あるとは思えねぇわな。」


 階段を登り終え、鳥居をくぐり抜けると。狐の石像が対になるように並んでいて、赤い柱と白い壁で屋根は、銅板葺きや檜皮葺きが用いられてる。神社の風景をキョロキョロ見渡してると、ある少女が話しかけに来る。「どんも、参拝客でいらっしゃいますか?」と聞かれ。懐から、二人の写真を見せ、「人探し」だと答える。少女は、二人の顔を知ってるため。


「啓介と健人じゃな。ほら、あそこの木影で休憩してるじゃろ?」


「あぁ、ほんとだ。ありがとう」


「いえいえ、じゃが。なぜ、2人に?」


「ちょいと、スカウトを」


 鶴谷は、木陰で休憩してる。2人に向かい話かけようとする。サングラスかけているからか。怪しげな人間に見えてるため。かけてるサングラスを外し、胸ポケットに仕舞う。


「君らが、片倉 啓介くんと犬神健人くんでいいんだよねぇ?」


「あぁ、おれが片倉 啓介で……となりの猟師は」


「犬神 健t……ッ!?」


 犬神は、何かを感じた。不快な鉄臭い匂い、そして、なにより。目元に生気を感じ取れない。死んだような目つき。その不快さと気味の悪さでわかった。


 ーーこいつは、人殺しの匂い。ーー犬神 健人は、人の何倍も嗅覚に優れている。もはや、犬と同等なくらいに。それだから、匂いの嗅ぎ分けも細かく。できる、だからこそ。猟師として、力を発揮していた。

 犬神は、判断をミスったら。殺られると思い、ライフルを入れてるカバーを外し。ライフルを鶴谷へと、向ける。


「ちょいちょいちょいちょい!!、いきなりなんだよ。俺は、害獣駆除されるようなことはしてないぞ」


「……おれは、あんたを信用していいのかが分からない……なんだ!その不快な匂いは!」


「え?おれ、そんな臭い?」


「臭いだけならいい……。ただ、嗅いでて虫唾が走る……なにより、恐怖が不安が俺の勘に触る……てめぇは何もんだ!!」


 唐突に、敵意を向けられたからか。鶴谷は両手を上げて敵意はないと伝える。しかし、犬神からしたら怪しい人物が不快な匂いを漂わせてる上に敵意が無いと疑うなと言われるだけなため。

 怪しい者が怪しい者じゃないと言ってるようなもんのため。犬神からしたら信用と説得力に掛けているような発言でしかなかった?


「ちょ待て、健人。落ち着け、確かに格好は怪しいが。そんな、おっかないやつではない。匂いは多分……元軍人だっただけだろ?」


「そうじゃ、健人。あんまり、ライフルを人に向けるもんじゃないよ?。あと、この青年は…格好だけ怪しいが、それ以外は怪しくはないと思うよ?」


 流石に、片倉と稲荷は止めに入った。片倉は、犬神に銃を下ろさせ。稲荷は、鶴谷という男が悪いもんには感じれないと説得を試みるも。ライフルを下ろし、袋に収める


「……わかった……。」


「ホッ……」


 しかし、ホッとした。束の間、犬神の右腕が通常より筋肉が膨れ上がり、獣のように毛がフサっと毛深くなり。爪が黒く鋭くなる。握りこぶしを作り。鶴谷に向けて殴り掛かる。


「なっ!!?」


「クソ!!【白兎はくと】止めてくれ!!」


『はいな!!』


「うさぎ!?」


 片倉が、袴のポケットから。うさぎの形した折り紙を鶴谷に向けて、投げ飛ばし。折り紙から白うさぎに変貌し。犬神のパンチを防ぐも、衝撃だけ止めれれず。"白兎"と言う。うさぎごと鶴谷は、向かいの木々へ吹き飛ばされる。白兎は、衝撃に耐えきれず、煙と共に消え。鶴谷は、背中を木に強打する。


「チッ……」


「いい加減にせんか!!!」


「んな!?……がぁ!!」


 稲荷が、空手チョップで犬神の額を思いっきり叩き。頭に直接衝撃が入って脳が揺れたのか。膝から崩れちて白目を向き、意識を失ってドサッと卒倒する。気絶しているからか、犬神の右腕は段々、元の太さに戻り、毛も薄くなり。人間とさして変わらなくなる。


「いてて……さっきのうさぎといい。やはり、あんたら。普通じゃないな。」


「それは、お互い様だろ?あんた、名前は?」


 片倉は、うさぎの折り紙を回収し。鶴谷に手を掴み立たせる。片倉は、鶴谷のスーツ姿の件と犬神が戦闘態勢になるくらいの警戒心から、何かあると思い名を聞く


「アルマス派生組織LAS戦闘部隊団長、鶴谷 修也だ。」


「あるます?」


「らす?」


 片倉と稲荷は鳩が豆鉄砲を食らったようにポカーンとする。何せ、アルマスとLASっていう組織は一般でわかるような組織名でもない。LASに至ってはほぼ機密に近い。何せ、平和組織が戦闘部隊を持ってるってことを知られる訳にはいかないから。


「とまぁ、話は家でしましょうぞ。のぅ、啓介」


「まぁ、そうだな。とりあえず、健人を担いでいくよ。」


「すまんのぉ」


「とりあえず、車を近くに停車しちゃったんだけど。どうしたらいい?」


「あぁ、それなら。心配いらないよ。わしらの、家はここら徒歩一分もかからんくらい近くじゃから。そこで、停めていいよ」


「助かる」


 話をまとめさせるために、稲荷は、ビニールシートを片付けたり。鶴谷は、稲荷を手伝い。片倉は、空手チョップをモロに喰らった犬神を背負い。四人は、二十三段の階段を降りる。


 鶴谷は、停車していたハチロクを動かし。三人を後部座席と助手席に乗せる。片倉は場所案内で鶴谷を誘導させ。三人が暮らしてる、住宅に移動させる。


 田舎によくある。木造建築で建てられた古民家で、築年数七五年はたってはいる。はっきり言ってボロと言える。よく言うなら、年数は経っても立派に残っている。


 鶴谷は、稲荷のお言葉に甘え敷地内に車を停車させていただき、四人は車に降りる。


 片倉は、犬神を背負い。気絶して伸びてしまった犬神を寝かせさせるために、先に家に上がり。座布団を枕替わりにさせて、横にさせる。


 稲荷は、客室にもなる。居間を少し綺麗にさせるため、片倉の次に家に上がり。新聞紙やちり紙やチラシとか床に落ちてるものを小綺麗にさせる。


「さぁさぁ、鶴谷さんや。お上がりください」


「では、お言葉に甘えてお邪魔します。」


「邪魔するなら帰って〜」


「帰るか。おバカ」


 片倉のふざけたギャグを交わす鶴谷に。片倉は「こいつできる」と鼻をほじりながらふざけると稲荷はこらこら、と止めに入り。本題に映らせたいため。居間へと案内する。




 △▼△▼△▼△




 年季が入っていて、畳が黄ばんでいるが。汚れという汚れは見当たらず。床の間に花が添えられていた。百合と彼岸花に似た、薄い赤い花が添えられていた。障子を開けると、縁側と繋がっており。そよ風が感じられる。


「ささ、どうぞ。」


「どんも、ありがとうございます。」


 稲荷は、鶴谷を上座へと案内させて座らせる。稲荷と片倉は下座に座り。鶴谷の言う、LASとアルマスを説明する。



 要約するなら、第三次世界大戦が休戦となり武器商人達への支払いが滞り。世界の政府達は、第三次世界大戦が休戦することを期に終戦へと向かわせる。

 ということで、今まで武器商人から買っていた武器の支払いのローンを無理やりな形で取り消してしまい。武器商人達は激高し、反乱という形で【戦争屋】という組織が世界各地で開拓されていた。それを、阻止するのがアルマスであり。特に、戦闘を積んでいる。戦闘部隊組織が【LAS】である。


「なるほどのぉ……。なんて言うか……そうじゃなぁ」


「ほとんど、政治家のしり拭じゃねぇか……」


「まぁ、はい。そうっすね……。給料はいいよ」


「いくら?」


「新人でも年収六五〇万は簡単に超えるぜ」


「たっっっか!!。入ろ」


「その変わり、命の保証はないけどな」


「やめようかな」


 鶴谷は、気になっていた。うさぎの召喚を、片倉に聞き出す。


「気になっていたんだが。兎を召喚したよね。あれって何?」


「あぁ、アレですか?。あれは"式神"ですよ。」


「え?そんなのいるの!?。てか、誰が教えたの?」


「稲荷さんですよ。」


「はい、わしです。 」


 笑顔でサラッと教えているが、実際やってることは摩訶不思議な技である。実際、式神とかの存在なんて。アニメや漫画の話だから。

 理解しようにも、上手くできなかった。幻覚なんじゃないか?って思ったため。片倉にもう一度、さっきの兎を召喚させていただく。


「すまないが、ついさっきの兎を見せてくれないか?」


「構いませんが?」


 片倉が、袴のポケットから。うさぎの形した折り紙をテーブルにおき。「こい、白兎!」と折り紙のうさぎを元に白うさぎが召喚された。


 雪うさぎのように白く。目元はレッドストーンみたいに赤色な目をしていた。おしりには、三日月の中にウサギが跳ねてるようなマークが施されている。


『初めまして、片倉様の下僕。白兎と申します』


「兎が喋った。声帯がないのに」


『まぁ、式神ですので。』


「まぁ、信じよう。ただ、その方法を教えた。稲荷さんだっけか。あんた、何者だ?そして、式神っていうのは何だ?」


 稲荷は、深刻な顔をしつつ、正体を明かそうとする。しかし、片倉は不安な表情になるが。稲荷は、安心させる為に笑顔で大丈夫と返す。


「わしは、鶴谷殿が予想してるようにわしは"人間"じゃない」


「というと?」


「わしは、"精霊"じゃ。」


 稲荷は、頭部から狐耳が生え、腰の下から狐の尾が生える。はっきり言ってケモ耳少女だった。

 別に、鶴谷はケモ耳が稲荷で初めてって訳ではなかった。漫画やアニメの中でも、ケモ耳がいたから。だから、稲荷のように本物のケモ耳を見て。衝撃を受けた


「理解しました。」


「戻れ、白兎」


『はい』


 白兎は煙のように消える。そして、片倉は式神について。説明する、条件として。一つ目は、召喚に応じての対価として依代がいる。二つ目は、依代となる形がいる。三つ目は、式神が死ぬと新しい依代を必要になる。


「なるほどな。」


「しかし、鶴谷さん。なぜ、俺と犬神を?」


「おれは、"能力者"を追って来たのだから。」


 鶴谷は、以前。アルマスの宇宙開発の実験と言い訳をつけていたが。それは、真っ赤な嘘で鶴谷は能力者を追っていた。

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