大魔王シリウスがスマホ転生、コミカルでユニークな異世界転生ファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
この物語は、大魔王シリウスが、図らずも現代日本の女子高生、安藤林檎のスマートフォンに転生してしまうという、コミカルかつユニークな異世界転生ファンタジーです。
物語の魅力は、異世界の魔王という強大な存在と、現代社会の日常的なアイテム(スマホ)、そして現代の女子高生という、全く異なる要素が組み合わさることで生まれるギャップの面白さにあります。
大魔王の「情けなさ」と「可愛らしさ」、泣く子も黙るはずの大魔王が、「停止ボタン」にビビったり、「くすぐり」に弱いという描写は非常にユーモラスです。また、ホラー映画や絶叫マシンに弱く、電池切れを恐れる姿は、威厳ある魔王像とのギャップで読者の笑いを誘います。リンに「シリ」と略され、拒否権がないことを悟るシーンもコミカルです。
インターネットで「異世界転生」をググりだしたり、電車のなかで勝手に席を譲るよう促すなど、魔王としての力は失いつつも、彼がスマホというツールを通して現代社会に順応(?)していく過程が描かれています。この「魔王がスマホの機能の一部となる」という設定が、とても面白いです。