このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(479文字)
話題になっていたのは知っていたが、同じようなものを読みたくないので避けていた祠モノ。ほとぼりも冷めたしな、と思って今回たまたま巡り会ったものを開いたら、するすると読めてとっても楽しかった。ある祠について、人の良さそうな神社や近所の人から話を辿っていく。昔、その祠の扉が壊れて殺人事件があったという話題も出る。しかし極めて平和に平穏にフィールドワークが展開していく。登場人物はほぼ丁寧で穏やかな人ばかり──ゆえに悲惨な事件が際立つ。