33 ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心(しずこころ)なく 花の散るらむ
紀友則(きのとものり) (平安時代の歌人。三十六歌仙)
若者訳
春の陽ざしポカポカで、世界ぜんぶが「平和〜」って感じなのに、
なんで桜だけ、そんなに急いで散ってんの?
——落ち着け、人生まだ昼だぞ。
っていうか、自分も落ち着け!?
現代語訳
あの空からふりそそぐ光がやわらかで穏やかな春の日に、
どうして桜の花は、あんなにも落ち着くことなく散っていくのだろう。
この歌は、春ののどかな情景と、散りゆく桜への無常感をうたったもの。
「ひさかたの」は“光”にかかる枕詞(決まり文句)で、
“のどけき春の日”という穏やかで平和な情景を描きながら、
その中で「静心なく花の散る」という対比が見事。
つまり、春の穏やかさと、命のはかなさの同居――
それがこの歌の美しさであり、
後世の「花は散るもの」という日本的美意識の原点にもなったといわれている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます