29 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
心あてに 折(を)らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊(しらぎく)の花
凡河内躬恒(おおしこうちの みつね) (平安時代の歌人。三十六歌仙)
若者訳
霜と菊、まじで区別つかん!
どれが花で、どれが霜なの?
わかんないけど――ま、テキトーに折ってみっか。
白すぎて目がチカチカする、冬の菊たちよ。
どっちでもキレイなら、それでよくない?
現代語訳
もし(白菊を)手折るとするなら、あてずっぽうに折ってみようか。
初霜が降りて、(霜と菊の白さが混ざって)どれが菊だか分からなくなっている白菊の花を。
この和歌は、「初霜が降りて白菊の花とかさなり、どちらがどちらか見分けがつかない」という情景を詠んでいる。
心あてには「見当をつけずに」「あてずっぽうに」という意味。
折らばや折らむは「もし折るなら折ってみようか」という迷いと意志を表す。
置きまどはせるは「霜が降りて白菊と見分けがつかなくさせる」ということ。
白菊の花を最後に置くことで、その美しさが際立つ。
全体として、霜と菊の白が溶けあう静かな朝の情景と、見分けのつかぬ美に心を動かされる詠み手の繊細な感情を描いた歌。
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