28 山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

源宗于|源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん) (平安時代の官吏、歌人、三十六歌仙)



若者訳


山奥の村の暮らしってさ、もともと人いなくて静かなんだけど、冬になるとマジで静寂フルボリューム。

誰も来ないし。草まで「じゃ、オレ引退するわ」って枯れちゃうし。

……そりゃ寂しくもなるよな。

孤独感MAXすぎて、もはや笑えん……。



現代語訳


山奥の山里は、普段から寂しいものだが、冬はとりわけ寂しさが募る。

人の訪れも途絶え、草も枯れてしまうだろうと思うとなおさら寂しくなる。


冬の山里の静けさと寂しさを詠んだ歌。

もとより人里離れた「山里」は寂しい場所だが、冬になるとさらにその寂しさが増すと詠んでいる。

人が訪れなくなること(人目もかれぬ)と、草木が枯れること(草もかれぬ)が重なり、

人間と自然の両方から孤独が感じられる。


掛詞(かけことば):「かれぬ」が「離る(人が離れる)」と「枯る(草が枯れる)」の両義。

係助詞「ぞ」+「まさりける」:冬の寂しさを強調する表現。

自然描写だけでなく、作者自身の孤独や不遇感を投影した歌とも読める。

静寂と侘しさの美を表す代表的な一首として評価されている。



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