8 わが庵は 都の辰巳 しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり
わが庵(いほ)は 都の辰巳(たつみ) しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり
喜撰(きせん)法師 (平安時代の歌人。六歌仙)
若者訳
わしのスローライフハウス、都の端っこの宇治にあんねん。
マジでのどかで、人はいなくて静かだし、鳥の声聞こえるし、最高。
でもな、世間のやつら、すぐ「喜撰のヤツ、なんか心病んで隠居したらしい」とか言い出すし。
わし別に病んでへんし。勝手にストーリー作るなっての。
プンプン!!
現代語訳
私の庵(いおり)は、都(京都)の南東(辰巳)の方向、つまり宇治にあります。
このように静かに住んでいるのですが、人々は「世を厭(う)じて宇治山にこもっている」と言っているのです。
歌の中には、地名の「宇治山」と、仏教的な無常観や出家の意をにじませた「世を厭(う)ぢる」という掛詞(かけことば)が用いられている。
作者自身は「ただ静かに住んでいる」だけなのに、世間の人は勝手に「世を嫌って出家した」とか「隠遁した」と噂する――そんな皮肉が込められている。
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