2 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山

春過ぎて 夏来(なつき)にけらし 白妙(しろたへ)の 衣干すてふ 天の香具山(かぐやま)

持統(じとう)天皇 (奈良時代の女帝)


若者訳

あれ、春、気づいたら終わってたわ〜。しかも夏来たっぽい!

いい感じの山に干されてる真っ白な着物を見て気づいたよ。

季節の変わり目を、自然の風景からキャッチしてる私、超イカすわ。


現代語訳

春が過ぎ、夏が来たらしい。とても白く美しい衣があの天の香具山に干されているのだ。


春が過ぎて夏が来たと感じたのは、眼下の宮廷の庭から見える 天の香具山(奈良・大和三山のひとつ)。

帝(みかど)の目には、季節の巡りとともに国が清らかに治まる様—―白の衣がかけられていた風景—―として映ったのだろう。

(山麓では初夏に「白妙の衣」(真っ白に晒した布)を山に干す風習があり、これは種まきや水の禊など神事に供される布であるとの解釈もある)

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