路上占い、あれこれ⑫【追記:死にかけた】
崔 梨遙(再)
1話完結:800字
⑪で、僕が死にかけたことについて書きましたが、重要な出来事を書き忘れましたので追記します。
僕は29歳だった。僕は2回目の結婚をした。
結婚して、2週間後に嫁の借金の督促状が届いた。嫁に借金があることが判明した。しかも、払っても払っても翌月には別の会社からの督促状が来る。嫁の借金は幾つもあったのだ。
嫁に総額を聞いた。
「お前、借金、全部でなんぼあるねん?」
「わからない」
話にならなかった。
そして、結婚してから1ヶ月半、嫁の浮気が発覚した。僕は離婚したかったが、バツ2になりたくなかったので、離婚は保留にした。そして、結婚してから7ヶ月半、嫁の4回目の浮気が発覚し夜、僕は遂に離婚を決意した。(※詳しくは、『2度目の離婚をした理由』、『浪速区紳士録【社旗人編:烈風】』に書いています)
「もうアカン、離婚や! 絶対に離婚するからな!」
嫁はいろいろ言ってきたが、僕は、
「アカン、離婚や!」
と、離婚という言葉を繰り返した。
僕は頭を抱えた。29歳でバツ2になってしまう。
スッと、嫁が姿を消した。僕は気にしなかった。それどころではない。会社に離婚を報告するのも恥ずかしい。悩む。
すると、嫁は包丁セットの1番大きい包丁を持って戻って来た。
僕は、
「離婚するなら死んでやる!」
と、言うのかと思った。だが、嫁は違うことを言った。
「離婚するなら、殺してやる-!」
嫁は包丁を振り回して突撃してきた。
“え? 僕、借金を払わされて、浮気されて、殺されるの?” と思った。
まあ、僕は柔道を習っていたので嫁も僕も怪我することなく取り押さえた。確かに、僕は護身術として柔道を習った。でも、“包丁を振り回す嫁を取り押さえる”ために習ったのではない!
僕は涙を流さずに心で泣いた。
占い師は、何度も死にかける。
路上占い、あれこれ⑫【追記:死にかけた】 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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