例えば5首目。働かないアリが我が社に潜伏中 俺はこんなに忙しいのにこういう機知に富んだユーモアは、作者の十八番です。毎回、その秀逸なユーモアに、くすっと笑ってしまうのです。掲出歌に戻ると、働かないアリのお陰で、働くアリの存在意義が輝く感じがして、それはそれで面白いように感じました。そのほかにも抒情的な短歌も優れていて、ユーモアの達人の潜在能力の深さに感嘆するのです。