本作は、乃東枯さんのエッセイです。
身の回りのこと。思いついたこと。記憶に残ることなどが記されています。
日常の自身の行動や心の動きを捉え直し、文章に仕立てて見せてくれています。
こう書くと、とても硬い文章を想像されるかもしれません。
もちろん、そうではありません。
乃東さんの語られる話は、どれもがおもしろいのです。
あえて、ゆるく。少し自虐的に話してくれているのです。
知性、ですね。
賢いゆえに自身を俯瞰できる。そんなエッセイなのです。
日常の隙間。心の空隙。つかの間、考えること。
誰にもある事柄を、感性でこしらえ直す楽しさが本作には溢れています。
ぜひ御一読ください。