第5回 気落ち

「ただいまあ。」

「お帰り~。飲み会どうった~。」

「うん。まあまあかな。」

「いろいろ話せた?」

帰り際の小倉の顔が頭に浮かんだので、打ち消した。

「お風呂入ってくるね。」

「うん。」


 お風呂でやっぱり、飲み会のことが頭に浮かんでしまう。お風呂から上がると、リビングに雄二の姿はなかった。

 寝室に行くと、ベッドに雄二は入っていた。雄二の横に滑り込む。

「ねえ。」

雄二に抱きつく。

「うん。お疲れ様。」

抱き返してくれる雄二。下着をつけてなかった。雄二の手を導く。ん?手に力が入ってない。

雄二は、寝息をたてていた。


 もう、こういう人だった。少し気落ちしたけれど、頬にキスして目をつぶった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る