そこに名前がある限り、まだ『その日』は終わっていない。
- ★★★ Excellent!!!
友人の死をきっかけに、廃神社での肝試しの記憶が蘇る高校生の物語。
見つけたのは、なぜか自分たちの名前が記された古い帳面。
そこに並ぶ数字は、生年と命日——かもしれない。 呪いか、予言か、それとも神の警告か。
物語は静かに、でも確実に不穏を深めていく。 登場人物たちの会話はリアルで軽妙。
だからこそ、死の予感との落差が際立つ。
「決定論」や「確率」の話が、哲学的な深みを与え、ただのホラーでは終わらない。
『名前がない』笠木の存在が、希望であり、問いでもある。
死を避けるにはどうすればいいのか。誰を守り、誰を見送るのか。
青春の一瞬に、命の選択が重なる。
怖すぎないけれど、未来を予想して心に残る。
微ホラーの魅力が詰まった一作です。
素敵なお話をありがとうございます。