第4話 少女
『グワァァァ……』
……あれ? これは……怪物の悲鳴?
「お、案外弱いなこいつら、グローディ、こいつら弱いぞ、傘でぶん殴っただけで消滅した」
『それは凄い発見ですね! それでは、このまま攻撃を続けましょう!』
「よし! どりゃああああああ!!」
お、女の人の……声?
そっと目を開けると、銀髪の少女が、黒い傘を振り回して怪物たちと戦っていた。
その構えは……まるで、西洋の騎士のように見えた。
「おい、そこの! なに座ってんだ! 戦え!」
「え?」
「私の作ったAIによると、こいつらは強い衝撃を加えただけで消滅するぞ! お前もやってみろ!」
「は、はぁ!?」
少女は俺に向かって謎のアドバイスをしてきた。
こ、こいつらが消滅? た、確かに当たりの連中は消えているが……。
お前もやってみろ……ってあぶね!
『グオオオオ……』
咄嗟にカバンを振り回すと、襲い掛かった怪物が即座に消滅した。
なるほど、確かに案外弱いな!
こう見えて学生時代は卓球に打ち込んでいたんだ、反射神経じゃ負けないぜ!
「そら掛かってこい!」
俺はカバンと己の拳や足を用いて奴らに攻撃した。
奴らも俺や少女の攻撃に圧倒されたのか、徐々に動かなくなっていった。
いいぞ、格好の的だ。
怯んでいる隙に、俺と少女は攻撃を続ける。
奴らに強い衝撃を加えると、確かに煙のように消えていく。
消えていく仲間を見続けた怪物たちは、次第に背を向けて退散していった。
「はぁ……はぁ……」
……さすがに年甲斐も無く動くのはキツイな、ましてや仕事帰りだし……ちょっと休憩……。
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